今後、PHEVやEVなどの電動化モデルは「リチャージ」と呼称される
スウェーデンを拠点とするボルボは早い段階から電動化戦略を打ち出し、2015年のXC90を皮切りにニューモデルすべてにPHEV(プラグインハイブリッド)を投入してきた。これで全モデルに電動化グレードを用意する唯一の自動車メーカーになったという。
また、2019年から2025年までにEV(電気自動車)を5モデル導入するとして、コンパクトな「ポールスター2」と、SUVの「ポールスター3」の開発がすでに進んでいることも公表されている。そして2019年10月17日、ボルボはEV「XC40リチャージ」を欧州で発表した。
ベースとなっているXC40は2018年3月に日本でも発表されたブランニューモデルで、全長4425mm、全幅1875mmというボルボブランドでは最小サイズのSUVである。2018-2019日本カー・オブ・ザ・イヤーを受賞したことでも話題となっていた。
新電気自動車のモデル名称にもなっている「リチャージ」は再充電を意味し、今後登場するEVやPHEVといった「充電可能なボルボ車」を表す総称として採用されるという。XC40リチャージの画像を見ると、リアゲートに「P8 AWD RECHARGE」というエンブレムが装着されており、これがグレード名であると考えられる。
搭載されるパワートレーンは約414ps(408hp)を発生し四輪で駆動するシステムで、走行用のバッテリーは床下に収納されて、1回の充電で400km(WLTP)を走行できる容量を持つ。急速充電システムを使用することで、40分以内に80%まで充電をすることができるという。
XC40リチャージはボルボ初の電気自動車であるが、さらに、インフォテイメントシステムにグーグル(Google)のアンドロイドOS(Android OS)を採用した初のボルボ車でもある。2017年に次世代コネクテッドカー技術の開発のための提携によって生まれた機能となる。ボルボのデジタルコネクテッドサービスプラットフォームであるボルボ・オン・コールに統合される。
また、60シリーズやXC90などに「リチャージ」モデルのラインアップを拡大し、これに合わせて電動化モデルの生産能力を3倍に増強、納車までの期間を大幅に短縮させるというから、ボルボが仕掛ける今後の戦略に注目が集まりそうだ。ちなみに、日本市場への導入時期については未定だという。