全長4mを切るコンパクトサイズだが、人も荷物もしっかり積めるSUV
ここ5年ほど、登録乗用車の販売台数は横ばいだが、SUVの構成比は10%近く伸長している。またコンパクトカーのユーザーにもSUVの購入意向は増加しており、「価格が高くなくて、コンパクトでも荷物の積めるSUV」を求める傾向があるという。そんなユーザーの要望から生まれたコンパクトSUVが、ロッキーとライズだ。
ロッキーは、ダイハツが1990年代に発売していた小型SUVの車名に使われていた。今回のロッキーは、そんな先代をオマージュしたわけではないが、SUVらしい力強さを持ちながら洗練された印象を表現した名称として、その名を復活させた。
ライズ(RAIZE)は、英語のRISEとRAISEからの造語で、毎日を「盛り上げる」アクティブなクルマであることを表現している。
ロッキーとライズは共同開発とはいえ、主導はダイハツだ。ダイハツが両社の商品展開を見据え、新世代に向けたクルマづくり「DNGA」をコンパクトカーに取り入れたモデルがロッキーで、ライズはOEM供給モデルとなる。
とはいえ、ロッキーとライズはエンブレムだけを変えた双子車ではない。フロントマスクは、まったく別のデザインとなっている。ロッキーは、六角形の大きなフロントグリルが特徴的な力強い顔つき。ライズは、薄型LEDヘッドランプと台形のロアグリルなどで、トヨタSUVの兄貴分C-HRなどと共通の顔つきだ。
いずれも、全長3995×全幅1695mmという5ナンバー枠に収まるコンパクトなサイズながら、大径タイヤやオーバーフェンダーなどでSUVらしい堂々としたシルエットを表現している。しかもDNGA新プラットフォームの採用により前輪の切れ角は大きく、17インチタイヤを履いたモデルでも最小回転半径は5.0m(16インチタイヤ装着車は4.9m)を実現している。
インテリアは、ステアリングセンターのエンブレム以外は基本的に共通だ。それでも小型車によく見られる安っぽさはなく、LEDデジタル速度計と7インチTFTカラー液晶ディスプレイを組み合わせたメーター、運転席側に向けて配置された操作パネル類、少し高めの位置で操作しやすいシフトレバーなど、ドライバーズオリエンテッドな空間でアクティブ感を表現している。
外観から想像されるよりラゲッジスペースは広く、荷室サイズは幅1000×高さ865(後述のボード下段)×奥行き755mmもある。可動式のデッキボードも備え、ボード下段時のラゲッジスペースは369LとコンパクトSUVトップレベルの広さを誇る。リアシートバックを倒せばフラットで奥行きのある空間となり、デッキボードを取り外せば背の高い荷物も収納できる。
パワートレーンは、98psと140Nmを発生する直3の1Lインタークーラー付きターボエンジンに、タントから採用されているスプリットギヤ採用のD-CVTを組み合わせる。駆動方式は、FFと電子制御式カップリング機構を用いた「ダイナミックコントロール4WD」を採用している。サスペンションは、フロントがマクファーソンストラット、リアはトーションビーム。
安全装備では、ダイハツの予防安全機能「スマートアシスト」全10機能と、運転をサポートする「スマートアシストプラス」全7機能の合計17機能を搭載。ブラインドスポットモニターとリアクロストラフィックアラートを新たに採用している。
オプションでスマホと連携する9インチディスプレイオーディオを採用するなど、最新のコネクテッドにも対応している。
車両価格(10%税込)は、以下のとおり。
●ダイハツ ロッキー
L(2WD/4WD):170万5000円/194万4800円
X(2WD/4WD):184万8000円/208万6700円
G(2WD/4WD):200万2000円/222万4200円
Premium(2WD/4WD):220万円/242万2200円
●トヨタ ライズ
X(2WD/4WD):167万9000円/191万8800円
X“S”(2WD/4WD):174万5000円/198万4800円
G(2WD/4WD):189万5000円/213万3700円
Z(2WD/4WD):206万円/228万2200円
■ロッキー G 4WD 主要諸元
●全長×全幅×全高:3995×1695×1620mm
●ホイールベース:2525mm
●重量:1050kg
●エンジン種類:直3 DOHC+ターボ
●排気量:996cc
●最高出力:72kW<98ps>/6000rpm
●最大トルク:140Nm<14.3kgm>/2400-4000rpm
●トランスミッション:CVT
●WLTCモード燃費:17.4km/L
●タイヤサイズ:195/60R17
●10%税込み価格:222万4200円