2.9L V6ツインターボの搭載で出力、トルクが向上
予約受注が始まった992型911GTSを筆頭に、今やポルシェのラインナップすべてに設定されるGTS。これはポルシェがクルマづくりで大切にしているグランドツーリングカーとしての素養を犠牲にすることなく、走りに関連する装備や足まわりをよりブラッシュアップしてスポーツ性まで高めたモデルだ。
動力性能での最強力版は、BEVのタイカンにも使うように「ターボ」という名前が絶対的な威光を放っているのだが、GTSはパワー第一主義ではなく、スポーツモデルとしての総合性能を巧みに調律している。そのためマカンのみならずカイエンやパナメーラでも人気が高い。今回、その新型マカンGTSを日本の道で試す運びとなった。
新型マカンGTSでもっとも注目すべきポイントはエンジンだ。マカンはマイナーチェンジ前も現行モデルも3LのV6ツインターボを搭載しているが、新型GTSではピストンストロークを89mmから86mmへと短縮することでさらなる高回転/高出力を目指した2.9L V6ツインターボに置き換わっている。その結果、現行マカンが354ps/480Nmなのに対し、GTSは380ps/520Nmを発生。これはマイナーチェンジ前のGTSに対して20ps/20Nmの上乗せである。
ちなみに現在のマカンターボも、同じく2.9L V6ツインターボを搭載し、出力は440ps/550Nm。マイナーチェンジ前の3.6L V6ツインターボから大幅に排気量ダウンしながらも、出力は増強させているあたりが最強力版の「ターボ」ならでは。
今後さらにパワフルなマイナーチェンジ前のターボパフォーマンスのようなモデルが登場する可能性も考えられるが、ひとまずはこの新型GTSの登場によって、ラインナップは完結を見たのである。