「10年ひと昔」とはよく言うが、およそ10年前の国産車は環境や安全を重視する傾向が強まっていた。そんな時代のニューモデル試乗記を当時の記事と写真で紹介していこう。今回は「スバル レガシィ ツーリングワゴン」だ。
スバル レガシィ ツーリングワゴン(2009年:5代目)
スバル レガシィといえば「ツーリングワゴン」といわれるほど、レガシィのラインアップでいちばんの売れ筋はツーリングワゴンだ。前回紹介したセダンのB4 GTと同様に、ターボエンジンを搭載したGTも魅力的だが、今回はNA(自然吸気)エンジンを搭載した「2.5i」に試乗してみた。組み合わされるトランスミッションは、新開発のCVTだ。
走り出してみると、まず乗り心地の良さに驚かされた。突起を乗り越える時にも、カドを包み込むようにスッとサスペンションが上下して力をスムーズに吸収してくれる。ボディがしっかりしているので、サスペンションの動きは大きいのに振動は残らず、しかもノイズの発生も少ない。ボディの動き自体も小さく、フラットな乗り味を見せてくれる。
もっとも、ハンドリングに関しては、さほどスポーティではなかった。ステアリングに対してノーズは反応しようとしているのに、タイヤが一歩遅れて動き出す感じだ。それも、動き出すと同時にグラッとくるのもタイヤのせいだろう。もちろん、安定してしまえばサスの接地感の高さによって落ち着きは保たれるのだが、そのグラッとくる間隔で車高の高さを感じさせるのは、少しもったいないところだ。