2008年のデトロイトショーでデビューしたフォルクスワーゲン パサートCCは、自ら「コンフォートクーペ」を名乗るスタイリッシュな4ドア4シータークーペ。セダン、ヴァリアントに続く「第3のパサート」は、単なるパサートの派生モデルではなく、プレミアムサルーンとして開発された意欲作だった。ここではドイツ・ミュンヘンで行われた国際試乗会の模様を振り返ってみよう。(以下の試乗記は、Motor Magazine2008年6月号より)

内装にはパサートの面影がほとんど残されていない

フォルクスワーゲン内ではB6と呼ばれている現行パサートをベースにしたこのパサートCCだが、ホイールベースは2711mmと同一ながら、全長4799mm、全幅1855mm、全高1417mmになった。パサートよりも31mm長く、35mm広く、そして55mm低い。

より長く、ワイドにそしてフラットになったのだから、シルエットは全体にスタイリッシュだ。さらに、クーペ風に前後になだらかに流れるルーフライン、サッシュレスのサイドウインドウがエレガントなプロフィールを作っている。

またフロントそしてリアエンドには独自のダイナミックなデザインが与えられているが、残念なのはホイールベースがパサートと同一なので前後のオーバーハングが長く、17インチタイヤが標準でもサイドビューがシーソーのようで安定感に欠ける点だ。

サッシュレスドアを開き、やや低めに位置しているドライバーズシートに腰を落とすと、そこにはパサートの面影はほとんど見当たらない。マルチファンクション付き3スポークステアリングホイール、ウッドとアルミのアプリケーションを与えられたダッシュボードとドアライニング、そしてアルカンタラシートにはベンチレーテッド機能も備わっている。インテリアはまるでフェートンかと思われるほどのアップグレード化が行われているのである。

クルマをスタートさせる前に、気になるリアシートへのアクセスと居心地を試みたが、ルーフ形状がクーペのように後方へ強くスラントしているので、ミニバンに慣れている日本人は小柄な人でも乗り降りに頭を意識して低める必要がある。キャビン内は1.4mのルーフ高ゆえに圧迫感はあるが、四人乗りということもあり、外から見るほど狭くはない。

This article is a sponsored article by
''.