2008年4月、この年のジュネーブオートサロンでデビューしたアウディA4アバントの国際試乗会がスペインのイビサ島で行われた。スタイリッシュなフォルムを手に入れた新しいアバントはどんな個性を発揮していたのか、革新的な進化を遂げたA4のワゴンバージョンはダイナミクス性能をどれほどアップさせていたのか。ここではその国際試乗会の模様を振り返ってみよう。(以下の試乗記は、Motor Magazine2008年6月号より)

ハンドルへの軽い振動でドライバーへ警告を促す

ドライバーシートに座るとすぐにセダンで見慣れたインテリアが視界に入る。正面のメーター、中央のナビモニター画面、MMI操作系が並んだ幅広のセンターコンソール。すべての操作系は人間工学的でドライバーオリエンテッド、質感も申し分ない。この部分は他のプレミアムライバルと比べてもアウディの独壇場である。また大型化されたボディのおかげで前席や後席にも十分なスペースが残されている。

1510kgのボディに対して1.8L TFSIエンジンは最高出力160ps、最大トルクは250Nmをマーク。しかも、このトルクを1500rpmから発生するので、他の交通をリードして十分以上の走りを見せる。メーカーの発表によればスタートから100km/hに達する加速所要時間は8.9秒、最高速度は210km/hとなる。ボディが大きく重い分184psのメルセデスC200コンプレッサーワゴン(228km/h)に最高速度では負けるが、0→100km/h加速(8.8秒)はほぼ同等の性能を発揮する。

一方欧州基準での話だが、燃費は100kmあたり7.2LでC200コンプレッサーワゴン(7.7L)を凌ぐ。やはりアウディのバルブリフトシステムと直噴の組み合わせは、ポート噴射のメルセデスに比べると明らかな差を生んでいる。

乗り心地は典型的なドイツ車のそれで、低速ではそれなりの行儀の良さを示す。低速で路面の荒れた場所を40km/hくらいで通過する場合はショックがパッセンジャーに届くが、スピードを上げるにつれてショックは巧みに吸収されフラットになってくる。

高速道路ではオプションのアウディレーンアシストと同時にアウディサイドアシストを試してみる。レーンアシストはウインドシールド中央のリアビューミラーに組み込まれているカメラで車線を検知し、65km/h以上で走行中に車線を逸脱するとステアリングホイールに軽い振動が伝わる。この方式は例えば警告音などより、進歩したシステムであると思う。というのは、昨今のクルマの車内は警告音に満ちているので、音よりも振動の方が感知しやすく、さらにドライバーが何かをしなければいけない場所で警告(振動)を発するからである。

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