1974年にデビュー以来、コンパクトFF車のベンチマークであり続けるフォルクスワーゲン ゴルフ。日本でも間もなく8代目となる新型が発表されるが、その前に初代から現行型までのゴルフを振り返ってみたい。今回は、2代目ゴルフのバリエーションを紹介しよう。

GTIモデルでエンジンの技術的な見せ場があったいっぽうで、駆動系技術でもゴルフ2は注目された。それが「シンクロ」と呼ばれた4WD仕様である。

4WDのゴルフ シンクロは、1986年に登場した。ゴルフ シンクロが注目されたのは、それが当時まだ珍しいフルタイム式4WDを採用していたからである。1980年代以前には、乗用車で4WDを採用すること自体が珍しく、スバルなど一部にしかなかった。だが、1980年にアウディ クワトロが登場して、乗用車の4WDに革命が起こった。クワトロの影響で、各メーカーから4WDモデルが登場することになったのだ。ただ、その多くはパートタイム式4WDを採用しており、クワトロのようなフルタイム式は、値段の張る高性能モデルなどに限られていた。

ところがフォルクスワーゲンは、ビスカスカップリングをセンターデフとして使用することで、実用車のゴルフで、フルタイム式4WDを採用したのだった。ビスカスカップリングは、電子制御などを使わないシンプルな構造が特徴だった。その仕組みは出力側と入力側のプレートディスクをそれぞれ30枚ほど交互に並べて、その間に粘度の高いオイルを満たし、オイルの粘性によって動力を伝えてセンターデフとして働く、というものである。

This article is a sponsored article by
''.