V90とV90クロスカントリーに日本導入以来初めての改良が施され、エクステリア&インテリアの一部変更とすべてのパワートレーンの電動化を実施した。ここではその中でも電動スーパーチャージャーを搭載した「B6」モデルの3台をテストドライブした。(Motor Magazine2021年1月号より)

ボルボらしさが感じられる期待どおりの改良である

今回は金沢から松本を経由して都内まで400kmを超すロングドライブを敢行したが、前述した乗り心地の改善もあって疲れはほとんど感じなかった。これには運転支援システムの強化も貢献していたはず。たとえばアクティブレーンキーピングは以前よりも滑らかに車線をトレースするようになっていたし、アダプティブクルーズコントロールの加減速にもギクシャクしたところはなかった。

冒頭でデザインは不変という主旨のことを述べたが、実際には今回のマイナーチェンジに伴ってフロントグリル、バンパーまわり、テールランプまわりの意匠が見直された。もっとも、それらは旧型を古く見せるための変更ではなく、あくまでも個性を際立たせるためのモディファイといえる。この辺からも、いかにもボルボらしいメッセージが感じ取れる。

そう、今回のマイナーチェンジをひと言で表現するなら「極まるボルボらしさ」となる。パワープラントや足まわりのアップデートは、洗練さと上質さを高め、人に心地いい空間を提供するための努力と思えたからだ。その意味でいえば、今回のマイナーチェンジはボルボファンの期待どおりの内容といえるだろう。(文:大谷達也)

画像: 48V化に合わせてDriveEエンジンも第3世代に進化した。

48V化に合わせてDriveEエンジンも第3世代に進化した。

■ボルボV90 B6 AWD インスクリプション(Rデザイン)主要諸元

●全長×全幅×全高=4945×1880(1890)×1475mm
●ホイールベース=2940mm
●車両重量=1930kg
●エンジン= 直4DOHCターボ+電動スーパーチャージャー
●総排気量=1968cc
●最高出力=300ps/5400rpm
●最大トルク=420Nm/2100-4800rpm
●モーター最大出力=10kW
●モーター最大トルク=40Nm
●駆動方式=4WD
●トランスミッション=8速AT
●車両価格(税込)=884万円(884万円)

■ボルボV90 クロスカントリー B6 AWDプロ 主要諸元

●全長×全幅×全高=4946×1905×1545mm
●ホイールベース=2940mm
●車両重量=1920kg
●エンジン= 直4DOHCターボ+電動スーパーチャージャー
●総排気量=1968cc
●最高出力=300ps/5400rpm
●最大トルク=420Nm/2100-4800rpm
●モーター最大出力=10kW
●モーター最大トルク=40Nm
●駆動方式=4WD
●トランスミッション=8速AT
●車両価格(税込)=904万円

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