2008年2月の13代目クラウン発売から遅れること3ヵ月、いよいよクラウンのトップモデルというべきハイブリッドモデルがラインアップに加わった。4.5Lクラスの動力性能と2Lクラスの低燃費を両立させたトヨタのフラッグシップはどんな仕上がりを見せたのか。今回は2008年5月に軽井沢で行われた試乗会の模様を振り返ってみよう。(以下の試乗記は、Motor Magazine 2008年8月号より)

アスリートベースのサスペンションは重量増加に対応させたチューニングが施され、タイヤは同じ18インチ。しかし専用のダンロップ製スポンジ入りデジタイヤを装備するため、路面からのあたりは随分とマイルドになり、ロードノイズも少ない。

乗り心地自体はアスリートとロイヤルの中間といったところだ。クラウンといえば歴代から静粛性を売りものとしていたが、ハイブリッドで新しい試みを採用している。それはアクティブノイズコントロールと呼ばれるシステムで、エンジンのこもり音をルーフに配置した3つのマイクで検出し、エンジン回転情報を加えて周波数を特定、それの逆位相となる信号をスピーカーから出力してノイズをキャンセルするというもの。

こういった芸の細かさはトヨタならではである。ゆえに室内は申し分なく静か。クラウンハイブリッドは比較検討するライバル車があるようでいてないと私は思う。

動力性能で4.5L車と、燃費で2L車と比較しても意味がない。あえていうなら同じクラウン同士のロイヤルかアスリートかであろう。クラウンハイブリッドの月販目標は800台で、6月中旬の段階で受注は約5000台に達しているという。そのうち個人が45%、法人が55%。そうか、シビアな経営者はレクサスLSではなく、クラウンハイブリッドを選択するのかも。(文:御田昌輝/Motor Magazine 2008年8月号より)

画像: 13代目クラウンに設定されたクラウン ハイブリッド。ロイヤル、アスリートに続くクラウン第3のモデル。

13代目クラウンに設定されたクラウン ハイブリッド。ロイヤル、アスリートに続くクラウン第3のモデル。

ヒットの法則

トヨタ クラウン ハイブリッド 主要諸元

●全長×全幅×全高:4870×1795×1470mm
●ホイールベース:2850mm
●車両重量:1840kg
●エンジン:V6DOHC
●排気量:3456cc
●最高出力:296ps/6400rpm
●最大トルク:368Nm/4800rpm
●モーター:交流同期電動機
●モーター最高出力:147kW(200ps)
●モーター最大トルク:275Nm
●駆動方式:FR
●トランスミッション:電気式無段変速
●車両価格:619万円(2008年)

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