1974年にデビュー以来、コンパクトFF車のベンチマークであり続けるフォルクスワーゲン ゴルフ。日本でも間もなく8代目となる新型が発表されるが、その前に初代から現行型までのゴルフを振り返ってみたい。今回は、4代目ゴルフの登場と背景について語ろう。

新技術を投入し質感も高められたゴルフ4

画像: ボディには全面に亜鉛メッキが施され、錆の保証が先代モデルより飛躍的に長くなった。

ボディには全面に亜鉛メッキが施され、錆の保証が先代モデルより飛躍的に長くなった。

実際のところゴルフ4の設計は、ゴルフ3の改良型ともいえ、もっと目立つ革新は次のゴルフ5で行われる。とはいえ、ゴルフ4もモデルライフを通して、次世代の新しい技術が多く投入されている。

まず注目されたのは、やはり高品質化であり、車体の生産工程を刷新し、高い精度で組み上げられたボディを持つに至った。それまで世界では日本車の品質の高さが評価されていたが、ゴルフもそれに対抗すべくゴルフ2の頃から、ロボットを導入したりして品質向上に努めていたが、ゴルフ4ではボディパネルの合わせ目の隙間、いわゆるチリを詰めて、わずか3.5mmとしたことが驚かれた。ボディには高張力鋼板を用いたほか、レーザー溶接を採用して飛躍的にボディ剛性を向上。走行時の品質感を大きく高めた。

エンジンは従来からの1.6Lや1.8Lも搭載したが、1.6Lは可変吸気を採用し、モデルライフ終盤には初となる直噴のFSI仕様も投入される。1.8Lはゴルフのガソリンとしては初めてターボ仕様も加わり、アウディ開発の5バルブを採用。4気筒では新設計のアルミ製1.4Lも搭載された。このほか従来からの狭角V6エンジンは引き続き搭載され、これはやがてさらなる高出力仕様のR32へと進化し、逆にスケールダウンしたV5エンジンも加わる。

画像: ゴルフ3以来設定されているワゴンボディのヴァリアント。ベースのハッチバック以上に四角さが目立つ。

ゴルフ3以来設定されているワゴンボディのヴァリアント。ベースのハッチバック以上に四角さが目立つ。

ゴルフ初採用のトピックスとしては、ESCや、ハルデックスカップリングを使用した4WDの4MOTION、6速MT、さらにはツインクラッチのいわゆるDCTの先駆け的存在であるDSGなどもモデルライフ中に登場している。

ボディサイズは、標準的グレードで全長4155×全幅1735×全高1455mm。ゴルフとして初めて3ナンバーとなった。とくに全長は先代モデルと比べて135mmほど長くなったがホイールベースは40mmしか長くないことから、室内スペースはあまり広くなっていなかった。実際のところゴルフ4は、同世代のライバルと比べてとくに大きいわけではなく時代相応といえたのだが、やはりコンパクトカーの鏡というべき存在だったので、批判の声も出てしまったのだった。(文:武田 隆)

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