遅れて登場した122ps仕様のヴァリアントTSIトレンドライン
現行のゴルフVは2004年から日本導入が始まり、以後バリエーションの拡充を行ってきたが、ワゴンモデルの登場は遅れに遅れてファンをやきもきさせた。ハッチバックの登場から実に3年も待たされたのだ。
3代目となるこのモデルからヴァリアントと呼称を改めての登場となったが、その軸足はまったくブレておらず、実用性本意のワゴンに仕上がっている。ゴルフの基本メカニズムを踏襲しながら、全長を拡大して大きな荷室を確保した結果、5名乗車でのラゲッジルームは505L(VDA法)。ダブルフォールド式の後席をたたみ、完全フラットなラゲッジ床の拡大を図ると実に1495Lもの容積が得られるのだ。
ひとクラス上のDセグメントでも、これだけ収納力の大きな荷室を備えるワゴンはそう多くはない。実用性が厳しく問われるCセグメントワゴンの中にあって、ゴルフヴァリアントは王道を極めるパッケージングを採り続けていると言っていいだろう。
しかし、2007年9月に日本導入が始まったゴルフヴァリアントは、200psの2.0TSIを積むスポーツラインと、170ps仕様の1.4TSIツインチャージャーを搭載するコンフォートラインの2モデルであった。登場が遅れたことで、ハッチバックの初期にあったFSI自然吸気エンジンは搭載されず、最初から最新のTSIを得ていたわけだが、冷静に考えれば200psと170psの2本立てというこのラインアップは、やや高出力に偏向している感も否めなかった。
実用性と軽快な走りをバランスよく楽しめるのがステーションワゴンの魅力ではあるものの、Cセグメントではイニシャル/ランニングの両コストの低減も大切なポイント。そんな重責を担ってこの8月に新たにラインアップに加わったのが、ゴルフヴァリアントTSIトレンドラインである。