存在化を示したフランス生まれのニューフェイス
フォルクスワーゲン ポロやアウディ A1スポーツバック、さらにはMINIの3ドアハッチバック/5ドアハッチバックといったモデルたちが、このカテゴリーに属するいわば「メジャープレーヤー」にあたる。
そして、それらがみな時期的にモデルチェンジの狭間にある中で、2020年の日本マーケットで目立った話題を振りまいてくれたのは偶然にも、ともにフランス生まれの新型モデルたちであった。プジョー 208とルノー ルーテシアという、2台の5ドアハッチバックモデルだ。
とくに、2019年春に開催されたジュネーブモーターショーで発表され、2020年夏にルーテシアよりもひと足早く日本への導入が開始された208は「エンジン仕様とピュアEV仕様をまったくの同格として扱う」という新たなコンセプトも大きな話題を呼んだ。共通のプラットフォームを採用して、従来タイプのエンジンモデルとピュアEVの電動モーターモデルを並行して発表、そしてデビューさせたのだ。
プライスタグ上では、やはりピュアEV仕様が明確に高価であることは事実。けれども「補助金や燃料代までを考慮に含めれば、維持していく上でのコストは大差が生じないように配慮する」というのが、動力源の相違によってユーザーの負担が大きく変わってしまわないように考えられた新型208ならではの特徴である。
厳しさを増した新たな燃費測定法「WLTPモード」への対応や、喫緊の課題となった電動化への取り組みなどもあってか、ドイツ勢の話題が少なく感じられたのも2020年のA/Bカテゴリーの特徴。前述のような課題への対応にマンパワーを割くために「モデルチェンジの時期を先送りにした」といったニュースまでもが聞こえてくる状態だ。