クルマに押し寄せる電動化の波は、確実に大きくなってきた。そして車種も着実に増えている。電気モーター駆動の利便を享受するためには、電力のマネージメント術も大切となる。(Motor Magazine 2021年2月号より)
欧州では大きなインセンティブがピュアEVの販売を後押し
純粋に気候変動への危機感を抱く人が増加したことはもちろん、それが「利益」に繋がると判断した人や企業が続々現れたということもあり、2020年にかつてない勢いでニューモデルがデビューしたのが「電動車」であり、その中でも究極の存在とされるピュアEVだ。
欧州の多くの地域では、走行時にCO2を出さないモデルに多額の補助金など大きなインセンティブが与えられることで、一気に販売台数が増す結果になった。
彼の地では、現時点で「製造過程で排出されるCO2や、チャージする電力の発電時に発生するCO2に関しては、すべて不問」ということになっているからだ。かくして、あちらでいま発売されている大半のピュアEVは「走行時のCO2排出量が規定値をオーバーした分に課される<罰金>を逃れたい一心から世に送り出された」と解釈しても不自然ではない。
さらに走行時の排出ガスがゼロのモデルには、実際の台数以上の数が売れたとカウントする「スーパークレジット」という制度があるので、なおさら販売に力が入る。