欧州で人気ナンバーワンのコンパクトSUV=キャプチャーがいよいよ国内発売。早速、横浜の街に連れ出してみた。乗って良し、眺めて良し。ルーテシアに続くルノーの新世代BセグメントSUVは、所有することに心ときめくこと間違いなしだった。思い切った価格設定にも食指が動く。

速度や路面を選ばず上質な乗り心地。スポーティな走りも楽しめそう

さて能書きはこのあたりにして、クルマに乗り込んでみる。

ややっ! これは予想以上に開放感がある。日常のアシにCセグメントカーを愛用しているが、感覚的にはそれとほとんど変わりがない。空中に浮かんでいるようなフライングセンターコンソールのおかげでシフトレバーの位置がドライバーに近くて操作性も良好。視点の高さはSUVらしいのだが、ドラポジは乗用車に近い不思議な感覚だ。しかもボディ四隅の車両感覚が掴みやすく、小柄な女性でも車庫入れや縦列駐車で苦労せずにすむだろう。ユニークな形状の薄型ヘッドレストもその一助になっている。

画像: 前方視界はもちろん、後方視界も良好でボディの四隅が把握しやすい。

前方視界はもちろん、後方視界も良好でボディの四隅が把握しやすい。

走り始めてすぐに気づくのが、予想以上に良好な乗り心地である。215/55R15という大径扁平タイヤを履くだけにバタバタとした乗り味を予想していたが、そんな心配は杞憂に終わった。しかも、フロアからの微振動がほとんどない。プラットフォームを共用(厳密にはまったく同じわけではない)する新型ノートでも感じたことだが、CMF-Bはかなり素性が良さそうだ。それを上手く手なずけているルノーのエンジニアの腕はさすがである。

直進性にも申し分なく、路面の轍や継ぎ目も絶妙にいなしてくれ、Cセグメントはもちろんさらにその上のクラスに乗っているかのようだ。ロールの進行もあくまで穏やかで、転舵スピード/量と車体の動きが見事に連携している。

画像: なんとも絶妙な乗り味だ。決して硬いサスペンションではないが、路面の乱れも軽くいなして直進性も申し分ない。

なんとも絶妙な乗り味だ。決して硬いサスペンションではないが、路面の乱れも軽くいなして直進性も申し分ない。

エンジンとのマッチングもなかなか。街中では余裕のあるトルクを生かしてスムーズな走りが味わえるし、高速の合流では意外やスポーティな加速も味わえる。とくにスポーツモードにセット(エンジンの特性、変速特性、ステアリングのアシスト力と連動)した時のエンジン回転は文字通りスポーティで、これでワインディング路を走ったらさぞかし楽しかろう。

シートの出来も絶妙だ。座面長が15mm伸ばされた新デザインのフロントシートは、国産車のようにフカフカではなく、かといってドイツ車のようにパツンパツンでもなく、路面を選ばずにドライバーの身体をサポートしてくれる。良好路面ばかりではない日本の道路事情でクルマ好きを満足させる絶妙な硬さと形状である。このあたりにもフランス車の底力を感じさせる。

また操作系にデジタルとアナログを使い分けているのも、オジサン世代にはありがたい。近年、なんでもかんでもディスプレイにまとめてしまう傾向が顕著だが、運転中に操作することも多い機能は伝統的なアナログのダイヤルを採用しているところに好感が持てる。

さて、主要装備においてほとんど差がないインテンスと同ハイテック、どちらを選ぶか。その価格差は20万円だが、私ならハイテックを選ぶ。ダウンサイザー目線で選ぶならば、上級車からの乗り換えでもなんら遜色を感じさせないハイテックに、より食指を動かされるのだ。(文:Motor Magazine編集部:阪本透/写真:井上雅行)

ルノー キャプチャー インテンス テックパック 主要諸元

●全長×全幅×全高:4230×1795×1590mm
●ホイールベース:2640mm
●重量:1310kg
●パワーユニット種類:直4 DOHC16バルブ+ターボ
●排気量:1333cc
●エンジン最高出力:154ps/5500rpm
●エンジン最大トルク:270Nm/1800rpm
●トランスミッション:7速DCT
●WLTCモード燃費:17.0km/L
●タイヤサイズ:215/55R18
●車両価格:319万円

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