フレンチコンパクトらしい洗練に磨きをかけた新型キャプチャー
待望の2代目が目の前にいる。一応、Bセグメントにポジショニングされるらしいが、私にはCセグメントにしか見えない。それくらい堂々としていて、しかも華やかだ。
曲線と局面で構成されたエクステリアはややもするとボテッと見えてしまいがちだが、キャプチャーはアスリートの滑らかな筋肉を連想させる曲線と曲面で構成されている。躍動感にあふれ、ときに優雅にも見えるのだ。とどめがアンダーボディとキャッビンを貫くクロームトリム。キャビン部とボディに明確な視点の切り替えを組み込むことで、都会的なシルエットに昇華させている。
この巧妙なボディワークが、先行して国内デビューしたルーテシアよりもひと回り以上大きく、ダイナミックに見せている。とは言っても、それは威圧感とは程遠い、フレンチコンパクトらしい洗練されたもの。このデザインの巧みさに、まずは所有欲を刺激される。
もっとも、実際のボディサイズは全長4230mm、全幅1795mm、全高1590mm。先代キャプチャーより95mmも長くなり、幅は15mm、高さは25mm増えている。注目すべきはホイールベースで、新型は2640mmと先代比で35mm伸びている(つまりクラス最長だ)。冒頭での印象のとおり、限りなくCセグメントカーに近づいている。
ボディ外寸の拡大分は、そのまま室内スペースの拡大に充てられている。フロントシートの座面長は20mmも長くなり、より身体をしっかり支えてロングドライブでの疲労を軽減してくれるはずだ。また、リアシートの膝まわり(前席との間隔)も17mm増やされ、これもまたクラストップレベルの居住性を実現した。
さらに、前席のカップルディスタンスは15mm、リアシートも(センター部計測)40mm増やされるなど、ここでもCセグカーに匹敵する空間が与えられている。手に触れるところはすべてソフトパットに覆われていて質感も高く、もはやBセグと呼ぶのが憚られるほど上質で居住性に優れたインテリアである。これならダウンサイザーからも不満は出ないはずだ。