アウディスポーツが生み出す「クーペ」は、流麗でありながら猛々しく、しかも凛とした存在感をまとう。理想のGTを実現するために盛り込まれた革新の数々が、揺るぎない自信へとつながっている。(Motor Magazine2021年3月号より)

快適な乗り心地とともに上質感を高めたインテリア

そうした実用性の高さは乗り心地や静粛性にも貫かれていて、おかげで普段遣いからロングツーリングまでさまざまなシーンでしっかり使うことができる。今回、2台の「クーペ」をテストドライブしてみたことで、とりわけ最新世代のRSモデルは、その傾向が強まっていることが確認できた。

上質な素材を使ってていねいに作り込まれた、インテリアの魅力についても触れておこう。カーボンコンポジットのフェイシアやスポーツシートに施されたハニカムパターンのステッチなどが、スポーティな味わいを表現している。

だがキャビン全体を覆っているのは知的で緻密なアウディの「世界観」にほかならない。そのセンスの良さに、私は強い共感を覚えたのだった。美しくてスポーティ、グランドツアラーとしての才能にも恵まれたクーペとは、なんと贅沢で充実した時間を与えてくれるのか・・・。 

長い時間、さまざまなシチュエーションでじっくり付き合ってみたからこそ、アウディというブランドが与えた天賦の才が確かに、光り輝いて見えた。(文:大谷達也/写真:小平 寛・井上雅行)

画像: 気筒休止のほか48Vマイルドハイブリッド化によって、コースティング機能を備える。(アウディRS7スポーツバック)

気筒休止のほか48Vマイルドハイブリッド化によって、コースティング機能を備える。(アウディRS7スポーツバック)

アウディRS5クーペ主要諸元

●全長×全幅×全高:4715×1860×1365mm
●ホイールベース:2765mm
●車両重量:1750kg
●エンジン:V6 DOHCツインターボ
●総排気量:2893cc
●最高出力:331kW(450ps)/5700-6700rpm
●最大トルク:600Nm/1900-5000rpm
●トランスミッション:8速AT(ティプトロニック)
●駆動方式:4WD
●燃料・タンク容量:プレミアム・58L
●WLTCモード燃費:7.6km/L
●タイヤサイズ:275/30R20
●車両価格(税込):1340万円

アウディRS7スポーツバック主要諸元

●全長×全幅×全高:5010×1960×14155mm
●ホイールベース:2925mm
●車両重量:2170kg
●エンジン:V8DOHCツインターボ
●総排気量:3996cc
●最高出力:441kW(600ps)/6000-6250rpm
●最大トルク:800Nm/2050-4500rpm
●トランスミッション:8速AT(ティプトロニック)
●駆動方式:4WD
●燃料・タンク容量:プレミアム・73L
●WLTCモード燃費:9.9km/L
●タイヤサイズ:275/35R21
●車両価格(税込):1799万円

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