アウディスポーツが生み出す「クーペ」は、流麗でありながら猛々しく、しかも凛とした存在感をまとう。理想のGTを実現するために盛り込まれた革新の数々が、揺るぎない自信へとつながっている。(Motor Magazine2021年3月号より)

サーキットスピードでも優れたトラクションをお発揮

ハンドリングも2ドアクーペらしく軽快そのもの。このRS5クーペを富士スピードウェイで試乗したことがあるが、ターンインではナチュラルな反応を示すいっぽうで、コーナーの立ち上がりではクワトロを利して強力なトラクションを発揮し、脱兎のごとく加速していく。

そのストレスを感じさせない安定感あふれる走りは、レーシングドライバーでさえトリコにしてしまう。私の知り合いにはアウディ好きのレーシングドライバー(それも世界的に有名な・・・)が少なくないが、彼らもこのスタビリティの高さに魅了されるようだ。

乗り心地はやや硬めながらゴツゴツ感が決して不快に思えないのは、タイヤやサスペンションなどをていねいにチューニングした恩恵だろう。前述した軽いエンジン音を除けばロードノイズなども意外に小さいので、長距離ドライブは得意科目のひとつだ。今回も取材先から帰る200km近い道のりを、まったく退屈することなく一気に走り抜けられたのも、RS5クーペのロングクルーザーとしての資質を物語っているように思う。

RS5クーペに比べると、RS7スポーツバックははるかに重厚で、そこはかとない威厳をたたえている。ルックスだけでなく、走りの印象でも同様だ。その魅力を支えているのが、先代から見違えるような進化を果たしたDRC(ダイナミック ライドコントロール)である。対角線上にあるダンパーの油圧経路を連結して無駄なロールやピッチングを抑え込むDRCが、RS7のどっしりとした乗り心地を生み出すのに貢献しているのは間違いない。

従来型ではハンドリング向上に特化するあまり、快適性はけっして良好とは言えなかった。ところが最新世代はエアサスペンションと勘違いしてしまうほど優しい。しかも、適度なしなやかさが加わったことでロードホールディング性が向上、路面が荒れたワインディングロードでも安定した姿勢が保たれ、より安心してコーナーを攻められるようになった。

威厳溢れる走りを支えるもうひとつの要素が600psと800Nmを生み出す4L V8ツインターボエンジンである。その回転フィールはV8らしく、どこまでも滑らか。しかも、RS5と違ってゆっくりと走っている時はエンジン音がほとんど聞こえない。おかげで、RS7の広々としたキャビンで寛いでいると、自分が正統派のサルーンに乗っているかのような錯覚をしてしまう。

スロットルペダルをぐっと踏み込んだ時の反応も、V6エンジンを積むRS5の弾けるような感触とは明らかに異なる。もちろん、一切のターボラグを感じさせることなく、踏めば直ちに加速を開始するのだが、加速度の立ち上がり方が実に滑らかなのだ。

そのままアクセルペダルを踏み続ければ、RS7のV8エンジンは完璧なスムーズさを保ったままレッドゾーンまで突き進んでいくが、その圧倒的な加速感もなぜか優雅と思わせてしまうあたりに、RS7のプレステージ性が表れているように思う。

画像: 重厚でそこはかとなく威厳を備えるアウディRS7スポーツバック。

重厚でそこはかとなく威厳を備えるアウディRS7スポーツバック。

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