あいにくのウエット走行でも実力の片鱗を見せた
![画像: 可変タービンジオメトリー(VTG)のチューニングなどで、ベースとなるGT2比で+90psの620psのパワーを発生する。](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783018/rc/2021/03/02/805028704eaf464256f2c76d5a73f402f0bea5c0_xlarge.jpg)
可変タービンジオメトリー(VTG)のチューニングなどで、ベースとなるGT2比で+90psの620psのパワーを発生する。
そんなGT2 RSを試乗したのは、ポルシェの本拠地からもさほど離れてはいない、ドイツ南部の温泉保養地バーデン・バーデン周辺。だが、試乗当日はあいにくの雨。それでも最近はこうしたモデルでも、スタビリティコントロールやトラクションコントロールが標準装備なのが慰めではある。
実際、70kgの軽量化も620psというターボパワーも、そしてドライサーキット路面に照準を合わせた浅溝タイヤも、このコンディションでは仇となる。何しろ、ブースト計の数値が0.4バールを超えたら、もうホイールスピンに注意しなければならない。6速ギアでアウトバーンを走行中、アクセルペダルを床まで踏み込み、メーターが1.6バールを示した瞬間、ホイールスピンの気配を感じたと言えば、その凄さが分かってもらえるだろうか。
結局、雨の公道上ではそのポテンシャルの一部を垣間見たに過ぎなかったが、そうして簡単には手の内は見せないのも、スーパーカーのスーパーたる部分なのかも知れない。
ポルシェのターボパワーをよりイージーに楽しみたいのならば、普通の911ターボがあるし、よりハードコアなテイストを味わいたいのならば911GT2が好適だろう。しかし、その先、未知の領域へと踏み込んでみたいのならば、こんな特別なモデルもあります・・・と、ニュルのラップタイムが驚愕の7分18秒というこのGT2 RSからは、そんなメッセージも聞こえてくる気がする。
![画像: 1370kgという車両重量は、ノーマルの911カレラより45kgも軽い。最高速度は330km/h、0→100km/h加速は3.5秒!](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783018/rc/2021/03/02/1d65b3dd3aac14ce4693d82fa458cfc88356d7ad_xlarge.jpg)
1370kgという車両重量は、ノーマルの911カレラより45kgも軽い。最高速度は330km/h、0→100km/h加速は3.5秒!
■ポルシェ 911GT2 RS(欧州仕様) 主要諸元
●全長×全幅×全高:4469×1852×1285mm
●ホイールベース:2350mm
●車両重量:1370kg
●エンジン形式:水平対向6 DOHC ツインターボ
●排気量:3600cc
●最高出力:456kW<620ps>/6500rpm
●最大トルク:700Nm<71.4kgm>/2250-5500rpm
●駆動方式:RR
●トランスミッション:6速MT
●最高速度:330km/h
●0→100km/h加速:3.5秒
●EU総合燃費:8.4km/L