「10年ひと昔」とはよく言うが、およそ10年前のクルマは環境や安全を重視する傾向が強まっていた。そんな時代のニューモデル試乗記を当時の記事と写真で紹介していこう。今回は、クリーンディーゼルを搭載した三菱 パジェロを公道で試乗した。

圧縮比の変更でガラガラ音も低減した

画像: 燃費を約7%改善しながら、最高出力で約12%、最大トルクで約19%のパワーアップを果たした3.2Lのディーゼルターボエンジン。

燃費を約7%改善しながら、最高出力で約12%、最大トルクで約19%のパワーアップを果たした3.2Lのディーゼルターボエンジン。

燃費も、10・15モードで従来よりも0.6〜0.7km/Lも向上した。2トンを超える重量級のボディにもかかわらず、この進化を達成したのは立派だ。おかげで航続距離が伸び、グランドツーリングカーとしての魅力が向上した。

また、圧縮比が17から16へと低くなったことも乗り味にけっこう効いている。ガラガラというディーゼルっぽい音や振動が従来よりもずいぶん低減されて、アイドリング時はもちろん、走っている最中のキャビンの快適性も、従来より高まっている。

そもそもパジェロは軸足をオフロードに置きながら、オンロードも大得意。これはモノコックボディに4輪独立懸架というオンロードに適した機構を採用しているおかげだ。

乗り心地も良好で、ロングツーリングもまったく苦にならない。さらにパジェロは、室内空間の上質感もかなりのもの。本革シートや本木目パネルが標準装備される最上級のスーパーエクシードともなれば、雰囲気はもう高級車並みだ。

根強いディーゼルファンにとって、パジェロにこれほど総合力の高いディーゼル車がラインアップされているのは頼もしい限り。そして、余裕の動力性能に優れた燃費、快適な走りや車内の居心地といった、グランドツーリングカーに求められる要素をそつなく併せ持っている。オン/オフを問わないオールラウンダーとしての才能が、さらに大きく開花したと言っていいだろう。

画像: 10・15モード燃費も改善された。重量級のボディにもかかわらず、グランドツーリングカーとしての魅力が向上した。

10・15モード燃費も改善された。重量級のボディにもかかわらず、グランドツーリングカーとしての魅力が向上した。

■三菱 パジェロ ロング スーパーエクシード 3.2 ディーゼルターボ 主要諸元

●全長×全幅×全高:4900×1875×1870mm
●ホイールベース:2780mm
●車両重量:2290kg
●エンジン種類:直4 DOHCディーゼルターボ
●排気量:3200cc
●最高出力:140kW<190ps>/3500rpm
●最大トルク:441Nm<45.0kgm>/2000rpm
●トランスミッション:5速AT
●駆動方式:フロント縦置き4WD
●10・15モード燃費:10.2km/L
●タイヤ:265/60R18
●当時の価格<税込み>:476万7000円

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