「10年ひと昔」とはよく言うが、およそ10年前のクルマは環境や安全を重視する傾向が強まっていた。そんな時代のニューモデル試乗記を当時の記事と写真で紹介していこう。今回は、スバル インプレッサ WRX STI スペックCだ。

スパルタンな走りっぷりは、峠を攻めたくなる

画像: ターボにはボールベアリングを採用し、最大トルクを0.8kgm上げ、発生回転数を1200rpm下げて、低中速域の加速性能を向上。

ターボにはボールベアリングを採用し、最大トルクを0.8kgm上げ、発生回転数を1200rpm下げて、低中速域の加速性能を向上。

実際に試乗してみると、スペックCはひとことで言えば「スパルタン」だ。Sタイヤ(セミレーシングタイヤ)のようなタイヤを履いていることもあって、路面からの入力はゴツゴツとハッキリとしている。タイヤが強靱なために積極的に荷重をのせていく必要はあるものの、反応したときの動きは切れ味鋭くインを指す。

躊躇していると跳ね返されてしまうような強さがあることから、遠慮なくスロットルを踏んでいくとリア寄りのトルク配分によって、リアの沈み込みがグッと感じられると同時にステアリングの向いている方向に一気に速度を増していく。リアの追従性の速さはHBならではの醍醐味で、ガンガンとフロントをねじ込んでさえいけばボディ全体が一体となってコーナーをクリアしてくれる。点をつなげていくような切れ味で、コーナーへ思い切って飛び込んでいける鋭いハンドリングが持ち味だ。

軽いボディの効果もあって、エンジンもレスポンスの良さが一層光る。標準のWRXに比較して、500rpmくらい低い3000rpm弱からスッとパワーが立ち上がり、3800rpmを越すとターボパワーが高まり、7500rpmまで一気に回りきる。パワーが高まってからトップエンドまでの吹け上がりは明らかに速い上に、低速域のトルク感も太く、ボールベアリングターボの効果は全域で発揮されている。

スペックの伸びしろ以上にパワーの立ち上がりが速く、扱いやすさと瞬発力は歴代のWRXでトップであるばかりか、スバル最強エンジンとして名を残すに違いない。

シャシがそのパワーに十分に応えてくれているので、スペックCはタイトなワインディングロードでガンガン攻め込んでみたくなる、そんな気にさせてくれる1台だった。

画像: オーバーハングの少ないハッチバック ボディによって、キビキビ感がいっそう強調されている。

オーバーハングの少ないハッチバック ボディによって、キビキビ感がいっそう強調されている。

■インプレッサWRX STI スペックC 主要諸元

●全長×全幅×全高:4415×1795×1470mm
●ホイールベース:2625mm
●車両重量:1440kg
●エンジン種類:水平対向4 DOHCターボ
●排気量:1994cc
●最高出力:227kW<308ps>/6400rpm
●最大トルク:430Nm<43.8kgm>/3200rpm
●トランスミッション:6速MT
●駆動方式:フロント縦置き4WD
●10・15モード燃費:10.4km/L
●タイヤ:245/40R18
●当時の車両価格(税込):364万3500円

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