「10年ひと昔」とはよく言うが、およそ10年前のクルマは環境や安全を重視する傾向が強まっていた。そんな時代のニューモデル試乗記を当時の記事と写真で紹介していこう。今回は、トヨタ ラクティス(1.3L)だ。

新開発の1.3Lエンジンは低速域からよく粘る

画像: 吸気/排気の両方に可変バルブ機構のVVTを持たせることで中低速域のトルクを向上させた1NR-FEエンジン。

吸気/排気の両方に可変バルブ機構のVVTを持たせることで中低速域のトルクを向上させた1NR-FEエンジン。

走りっぷりは、1.5Lにも引けをとらないものだった。低全高フォルムを採用しただけあって、ガッチリとした安定感を感じる。それでも、発進ではまったく重さはなくて軽快。高速に乗っても力強くて、頼もしい限りだ。取り回しも良くて扱いやすいのだが、斜め後方の死角がやや大きめ。フロントの三角窓もあまり効果的とはいえないのだが、街中や車庫入れで困るほどではない。

ハンドリングは、先代ではキビキビした印象だったが、新型では素直でマイルドになった。車高が低められたこともあってかボディアクションは少なく、身のこなしは圧倒的に軽快だ。乗り心地もおおむね良質だが、細かい突き上げに対して敏感なのがちょっと残念なところ。

1.3Lエンジンは、デュアルVVTを搭載した新設計のもので、低速域の粘り強さが際だつ。CVTの制御もこれに合わせて低い回転域を維持する。市街地を50〜60km/hで流しているときのエンジン回転数は1000rpmちょっと。そこからアクセルを軽く踏んでも回転はあまり上がらず、スルスルと伸びる柔軟性が凄い。それでいて、こもり音もよく抑えてあり、もちろん燃費も良好だ。高速巡航も快適だ。やはり新しいパワートレーンはそのぶん進化している。

ラクティスのようなハイト系ワゴンには、スズキ ソリオやホンダ フリードスパイクなどライバルは多いが、いずれも運転しやすさやパワーは十分。あとはライフスタイルに合わせてチョイスするといいだろう。

画像: ハンドリングは先代よりマイルドになった。乗り心地もおおむね良質だ。

ハンドリングは先代よりマイルドになった。乗り心地もおおむね良質だ。

トヨタ ラクティス 1.3G 主要諸元

●全長×全幅×全高:3995×1695×1585mm
●ホイールベース:2550mm
●車両重量:1090kg
●エンジン種類:直4 DOHC
●排気量:1329cc
●最高出力:70kW<95ps>/6000rpm
●最大トルク:121Nm<12.3kgm>/4000rpm
●トランスミッション:CVT
●駆動方式:横置きFF
●10・15モード燃費:18.4km/L
●タイヤ:175/60R16
●当時の車両価格(税込):158万円

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