新型ゴルフはMHEVの4グレードの展開でスタート

全幅、全高はゴルフ7よりもやや縮小されている。力強いCピラーは、ゴルフの伝統だ。
欧州で「ゴルフ8」がワールドプレミアされたのは2019年末のこと。実に、1年半ほどのタイムラグで「やっと」日本上陸を果たした。
その間、本国ではGTI、GTE、GTD、Rなどなど、上級スペックのラインアップが続々と登場しているが、それらの日本デビューはまだしばらく先になりそう。日本市場向けの第一弾としては、直噴ガソリンターボエンジンに48Vのマイルドハイブリッドシステム(MHEV/フォルクスワーゲンとしては初)を組み合わせた「eTSI」が導入される。
搭載エンジンは1L 直列3気筒と1.5L 直列4気筒の2タイプで、それぞれに2種類ずつのグレードを設定。中でもハッチバックモデルとしては初めての「Rライン(1.5L 直4ターボ搭載モデル)」はそうとう目立つスタイルの持ち主ではあるが、いかんせん本国既出の本家「R」と比べてしまうと地味な印象は拭えないように思える。
しかし実際にハンドルを握ってみると、そんな予想は見事に覆された。わずか13psほどのパワーしか発生しないスターターとジェネレーターを兼務する電気モーターが、エコと走りのパフォーマンスを高める「飛び道具」としての役割を、しっかり果たしている。おかげでもっともベーシックな1Lの直列3気筒モデルであっても、ゴルフ8としての魅力を堪能することができたのだった。

ベルト駆動式のスタータージェネレーターを装備。回生エネルギーを効率的に回収するほか、コースティング時のスムーズな始動なども担う。発進時には最高出力13ps/最大トルク62Nmでアシストする。
伸びやかなシルエットで高いクオリティをアピール
「ベーシック」とは言っても今回試乗した「eTSI アクティブ」は、1Lモデルの中では上位機種に当たる。前後バンパーのアレンジが1.5Lモデルと比べればやや「光りモノ」が控えめになる以外、デザイン的な差別化は大きくはない。薄くシャープな印象のLEDヘッドランプやエッジの利いたスライスライン、張りのあるプレスラインなど、ゴルフ8ならではの「新しさ」をまとう。
従来型のゴルフ7に対して30mm延長された全長のおかげもあって、シルエットはとても伸びやかだ。1Lモデルは16インチタイヤのみの設定となるが、凝った意匠の5スポークアルミホイールが、足元からスポーティ感を巧みに演出している。「eTSI アクティブ」の車両価格は312万5000円とCセグハッチバックとしてはけっしてリーズナブルではないけれど、まずは見た目で高いクオリティを実感させてくれるのが嬉しい。
![画像: 試乗車はテクノロジーパッケージを装備。ヘッドランプはマトリックスLED式の「IQ.LIGHT]だ。」](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783018/rc/2021/06/15/a8b3a0ddd44f87e2bfdd3d3791eec322087320b5_xlarge.jpg)
試乗車はテクノロジーパッケージを装備。ヘッドランプはマトリックスLED式の「IQ.LIGHT]だ。」