XC60をはじめ、ボルボのSUVはオールラウンダー的な要素が強く、さまざまな天候や路面状況でも安心して走ることができるようになっている。ここでは、2018年に長野から志賀高原スキー場へのルートで行われた雪上テストドライブの模様を振り返ってみよう。試乗車はボルボ XC60 T8 ツインエンジン AWD インスクリプションだ。(以下の試乗記は、Motor Magazine 2018年3月号より)
せっかく4駆なんですから雪道を走りませんか
「あれ、このクルマ、スタッドレスタイヤ履いていますか?」 走り始めてすぐに助手席にいたカメラマンから聞かれた。
「そのはずだけど」と、私は少し自信なさげに答えたのだが、それはどうしてか。あまりに室内の静粛性が高く、スタッドレスタイヤ特有のロードノイズがほとんど聞こえてこなかったからだ。
運転しているのは、ボルボXC60 T8 ツインエンジン AWD インスクリプション(以下XC60 T8)。多くのジャーナリストから高評価を受け、並みいる強豪を退けて日本カー・オブ・ザ・イヤー2017-2018に輝いたボルボのミドルレンジSUVである。
今回は、「XC60はせっかく4駆なんですから雪道を走りませんか」という誘いをボルボから受けて雪上テストドライブに長野まで出かけたというわけだ。試乗車に選んだのはT8、つまりプラグインハイブリッドである。
新しいプラットフォーム「SPA」を採用した90シリーズの中でも一番新世代ボルボらしいと感じているのは「T8」である。担当している長期レポートでもXC90のT8と現在のV90 T8の2モデルをテスト車に選んでいることもあり、日頃から「T8」に親しんでいる身としては、やはり雪上でのパフォーマンスはとても気になるところなのである。
試乗のスタート場所となった駅前のホテルを出発、周辺にはまったく雪もなくドライ路面だった。そして2〜3km走ったあたりで交わされたのが冒頭の会話である。