EVならではの静かで力強い加速
EQCに続き、メルセデス・ベンツが日本に送り込んだピュアEVの第2弾が、このEQAだ。もっともドイツ本国では、ミニバンの「EQV」や、将来的にはSクラスに取って代わるのではないかとささやかれているサルーン、「EQS」も登場しており、これらもそう遠くない時期に日本に導入されるだろう。BMWやアウディもピュアEVのラインアップを増殖しているし、ジャーマンスリーのEV転換計画は着々と進んでいるようだ。
さて、EQAは兄貴分のEQCと同様のクロスオーバーSUVタイプのEVだ。ただし、EQCは2モーターの4WDだが、EQAは1モーターのFWDとなる。スタイリング的にはEQCと似ているが、サイズはひとまわり以上小さい。4.5mを切る全長と1.85mの全幅は、街中で扱うには適切なサイズだ。だが全高は1.6mを超えるので、駐められるタワーパーキングは限られてくる。
試乗車はAMGラインを装着しているので、フロントグリルはツインルーバータイプとなる。
試乗車はAMGラインのパッケージオプション装着車だったので、ツインルーバーのフロントグリルや20インチのタイヤ＆ホイール、レッドステッチ入りコンビシートなどを装備して、スポーティなイメージを高めている。
室内に乗り込むと、その景色はベースとなったGLAなどと似た雰囲気だ。ジェットエンジンのタービン風エアアウトレットやワイドスクリーンディスプレイを2枚つなげたパネルが目をひく。EVらしさを感じさせるものは、特にない。GLA同様、目線が高くて見晴らしが良いから運転しやすいし、初めてEVに乗る人でも違和感はないだろう。
スタートボタンを押してシステムを立ち上げ、シフトをDに入れてアクセルペダルを静かに踏むと、いかにもEVらしいスッとした加速を見せる。そこから少しだけ右足に力を入れると、思った以上に鋭く加速してくれた。ドライブモードはエコ／コンフォート／スポーツ（自分でカスタマイズできるインディビデュアルもある）とあるが、デフォルトはコンフォート。それでも、十分以上に速い。
エコでも市街地走行レベルなら不満はないが、高速でジワッとアクセルを踏んだときの加速は甘い。それでも、そこからもう少し踏み込めば、十分な加速はしてくれるが。スポーツでは、ターボが効いたような加速を見せる。街中では持て余し気味になるので、ふだんはコンフォートに入れっぱなしでも十分だろう。
