世界中のプレミアムブランドがSUVをラインナップしているなか、ボルボ XC90 リチャージ プラグインハイブリッド T8 AWDとXC60 B5 AWDの2台とじっくり付き合う機会を得た。そこで感じたことを、ユーザー目線で報告してみたい。(タイトル写真:XC90 リチャージ プラグインハイブリッド T8 AWD インスクリプション)

他のプレミアムブランド車とは異なる癒やしの空間にやられた!

画像: XC60 B5 インスクリプションのインテリア。上級トリム「インスクリプション」だが、この空間に包み込まれる癒やしの感覚はボルボSUVならではのもの。北欧の家具職人の仕事ぶりを彷彿とさせる。

XC60 B5 インスクリプションのインテリア。上級トリム「インスクリプション」だが、この空間に包み込まれる癒やしの感覚はボルボSUVならではのもの。北欧の家具職人の仕事ぶりを彷彿とさせる。

正直に白状してしまうと、生来の天邪鬼な性格も相まって、世のSUVブームにはなんとなく腰が引けていたのだ、ほんの数週間前までは。

実はMotor Magazine 9月号(8月1日発売号)の表紙撮影や特集の関係で、都合1週間以上もボルボ XC90 リチャージ プラグインハイブリッド T8 AWD(以下、XC90)とXC60 B5 AWD(以下、XC60)に代わる代わる乗るという経験をした。もちろん、今までだってボルボ車に乗ったことはあるけれど、国産車を中心に解説する編集部が長かったせいか、今回のようにじっくりとお付き合いしたのは実は初めてだった。

そこで感じたのは「住み慣れた家のような寛げるクルマだな」ということ。長く付き合って情が移った、というわけではないのだが、とにかく程良いリラックス感が心地良いのだ。乗っていたのがどちらも「インスクリプション」という上級トリムのクルマだったから余計にそう感じたのかも知れないが、よく形容されている「北欧の家具に囲まれた居間のような」という枕詞は、悔しいかな(?)事実なのだった。

画像: インスクリプションに採用されるシフトレバーは、スウェーデンが誇るクリスタルメーカーのオレフォス社製。

インスクリプションに採用されるシフトレバーは、スウェーデンが誇るクリスタルメーカーのオレフォス社製。

そんな気持ちのゆとりは、ドライビングスタイルにも現れる。プラグインハイブリッドのXC90(318ps/40.8kgm)、マイルドハイブリッドのXC60(250ps/35.7kgm)、ともに動力性能的には十分以上だ。でも、それを試してみようなどという昂ぶりは試乗期間中一度もおきなかった。加速しようと思えばいつでも十分な加速をするし、減速するときもそう。

ポテンシャルの高さを予感させつつ、それは「いざという時のためにとっておこう」という大人な気分になる。歳をとったからではないか、と問われれば否定はしないが、ボルボのSUVに乗ればだれでもそういう気分になるのではないか。ボルボ車はよく「善人顔」と言われるが、実際にボルボのSUVに乗れば自ずとそういう運転になってしまうのだろう。

画像: 登り坂をモノともしないパワーの持ち主だが、実際のドライバビリティは「いつでも必要なときに必要なだけ取り出せるパワー」と形容するのがふさわしい。良く走り、良く曲がり、良く止まる。しかも機械の介在を感じさせない独特の味付けだ。(写真:XC90 リチャージ プラグインハイブリッド T8 AWD インスクリプション)

登り坂をモノともしないパワーの持ち主だが、実際のドライバビリティは「いつでも必要なときに必要なだけ取り出せるパワー」と形容するのがふさわしい。良く走り、良く曲がり、良く止まる。しかも機械の介在を感じさせない独特の味付けだ。(写真:XC90 リチャージ プラグインハイブリッド T8 AWD インスクリプション)

プレミアムブランドを乗り継いできた人に試してほしい

いまこの原稿は我が家のリビングで書いている。で、その雑然(殺伐?)とした空間を見渡すと「なんだかなぁ〜」と気分がふさぐ。さすがにXC90よりも、もちろんXC60よりも容積も面積も比べるべくもないのだが、それでも狭いはずの両XCの方が精神的には広々としている。誇張かどうかは、最寄りのボルボディーラーに行けばわかるだろう。試してみる価値はあると思う。ともあれ、これを機会に次はSUVも悪くない、と思うようになったのは本心である。(文:モーターマガジン編集部 阪本 透/写真:赤松 孝、永元秀和)

画像: ボルボSUVの旗艦がXC90。堂々たる7シーターだ。おざなりの3列目シートを乗せたSUVも少なくないが、XC90のそれはおとな2人がきちんと座れる立派なモノ。

ボルボSUVの旗艦がXC90。堂々たる7シーターだ。おざなりの3列目シートを乗せたSUVも少なくないが、XC90のそれはおとな2人がきちんと座れる立派なモノ。

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