「温故知新」の逆というわけではないが、最新のプジョー車に乗りながら、古(いにしえ)のプジョー車に思いを馳せてみたい。今回は、最新のプジョー 2008に乗りながら、プジョー SUVのルーツ的な存在のクルマについて考えてみたい。(タイトル写真は、上が206SW、下が現行型の2008)

日本でも人気を集めた206のワゴン版「SW」

画像: 206SWは、コンパクトな206がベースながら、しっかりとステーションワゴンとして仕立てられていた。

206SWは、コンパクトな206がベースながら、しっかりとステーションワゴンとして仕立てられていた。

ただ、ドイツ車メーカーなどは国際水準のSUVを比較的早くから開発していた。要するに、アメリカ市場でクルマを多く売ることを考えれば、本格的なSUVを製造する必要性も自然と高まるわけだ。残念ながらフランス車メーカーは、アメリカ市場であまりクルマを売っていない。

しかし世界的にSUV人気が高騰してきたことを受けて、いよいよフランスの老舗プジョーもSUVをつくらずにはいられなくなったという図式だ。とはいえ、その気になればすぐに魅力的なSUVを開発できてしまえるところが、プジョー開発陣のやり手なところだろう。

2008に至る進化の足跡は、わりとはっきり辿ることができる。戦後の200シリーズの最初は204で、204は基本形がセダンだったので、小柄でありながらもワゴン版が設けられた。しかし次の205は、コンパクト ハッチバックに徹しており、ワゴン版はつくられなかった。ところが、続く206にはワゴン版の206SWが設定された。
 
これは日本でいえば、さしずめフィットシャトルやファンカーゴのような存在だが、そういう積載量を求めるニーズにプジョーは伝統的手法で応えたといえる。このクラスでワゴンは比較的珍しかったこともあり、日本で人気を集めた。

プジョーは続く207にもSWを設定。そして注目したいのが、その207SWにクロスオーバーSUV風の艤装を施した207SWアウトドアを加えたことだ。これはいうなれば2008進化における、ミッシングリンクだ。次のモデルチェンジでは、ついにこのワゴンボディをクロスオーバーSUV仕立てに進化させた初代2008が誕生する。そしてそれがさらに、SUVに特化した2代目2008へと進化したというわけだ。(文:武田 隆)

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