「10年ひと昔」とはよく言うが、およそ10年前のクルマは環境や安全を重視する傾向が強まっていた。そんな時代のニューモデル試乗記を当時の記事と写真で紹介していこう。今回は、キャデラック CTSクーペだ。

CTS-Vほどハードでなくても・・・というのなら、CTSクーペを

画像: CTS-Vほどの絶対的なパワフルさはないが、シルキーなV6は吹け上がりも良く、きわめて扱いやすい。

CTS-Vほどの絶対的なパワフルさはないが、シルキーなV6は吹け上がりも良く、きわめて扱いやすい。

CTS-Vクーペのハードな印象が覚めやらないうちに、標準モデルのCTSクーペに乗り換える。よく考えたら、こちらに先に乗ったほうがよかったかもしれない。

前述のように2代目となったCTSは、セダン、ワゴンに続いて、まさかクーペまで出るとは思わなかったが、このクーペはとにかくスタイリッシュだ。とくにヒップアップしたリアビューが印象に残る。かつてキャデラック ブランドのエンブレムであった「V」をモチーフにしたという独特のリアエンドは、他に類を見ないものだ。

その走りは、もちろんCTS-Vほどのマッスルさはないものの、かつてのアメリカ車(とくにキャデラック)のユルいイメージとは一線を画する。現代的に洗練されたフットワークを持ち、快適なパーソナルクーペとしても、走りを楽しむスポーツカーとしてもイケるモデルに仕上がっている。

ハンドリングも応答遅れを感じさせることはない。いささか制御を入れすぎた感のある近年のドイツや日本製の上級スポーティカーよりも、むしろ素直で好印象だった。

エンジンは、セダンやワゴンでは3LのV6も選べるが、クーペは3.6LのV6のみ。CTS-Vの圧倒的なパワーを味わったあとでは非力に感じてしまうような錯覚をおこしたけれど、実際の性能的には十分。しかも、シルキーな吹け上がりを楽しませてくれる。

キャデラック CTSは、クーペやワゴン、そしてCTS-Vも含めて、惜しむらくは販売ネットワークが少ないことと認知度が低いこと。もっと注目されていい1台であることは、間違いないのだが。

画像: かつてキャデラックブランドのエンブレムであった「V」をモチーフにした独特のリアエンドが印象的だ。

かつてキャデラックブランドのエンブレムであった「V」をモチーフにした独特のリアエンドが印象的だ。

■キャデラック CTS-Vクーペ プレミアム 主要諸元

●全長×全幅×全高:4800×1900×1420mm
●ホイールベース:2880mm
●車両重量:1940kg
●エンジン種類:V8 DOHCスーパーチャージャー
●排気量:6156cc
●最高出力:415kW<564ps>/6100rpm
●最大トルク:747Nm<76.1kgm>/3800rpm
●トランスミッション:6速AT
●駆動方式:FR
●JC08モード燃費:5.9km/L
●タイヤ:前255/40ZR19、後285/35ZR19
●当時の車両価格(税込):984万円

■キャデラック CTSクーペ 主要諸元

●全長×全幅×全高:4800×1900×1420mm
●ホイールベース:2880mm
●車両重量:1830kg
●エンジン種類:V6 DOHC
●排気量:3564cc
●最高出力:229kW<311ps>/6400rpm
●最大トルク:374Nm<38.1kgm>/5200rpm
●トランスミッション:6速AT
●駆動方式:FR
●JC08モード燃費:8.1km/L
●タイヤ:前245/45ZR19、後275/40ZR19
●当時の車両価格(税込):668万5000円

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