10分以内の充電で120km以上の走行可能を実現
シティコミューターのi3、スーパースポーツのi8に続く、BMW「i」シリーズの第3弾として登場するのが、SAV(スポーツ アクティビティ ビークル:BMWではSUVをこう呼ぶ)の「iX」だ。
4WDのピュアEVであるiXのスタイリングは、X5/X6/X7といったラージサイズSAVのそれを個性的に再解釈したものだという。全長と全幅はX5とほぼ同じだが、流れるようなルーフラインで全高はX6並みに抑えられ、ホイールサイズはX7を想起させる。最小限のキャラクターラインとゆとりあるサーフェスデザインがモノシリック(一枚岩)のようなボディを印象づける。なお、欧州仕様のiXでは「i」シリーズの特徴であるブルーを基調としたアクセントがボディの要所に配されているが、日本仕様では「EVっぽくないほうがいい」というユーザーの声を反映して、このアクセントを廃されている。
インテリアでは、フラットなダッシュボードに配されたフルデジタルのメーターパネルは、BMWの市販モデルとしては初のカーブドディスプレイを採用している。これは12.3インチのインフォメーションディスプレイと14.9インチのコントロールディスプレイの表示領域を合体させたもの。六角形のステアリングホイールやヘッドレスト一体型のシートも特徴的だ。
パワートレーンは、2基の電気モーターによる4WDで、システムのパワースペックは、xドライブ40では240kW(326ps)/630Nm、xドライブ50では385kW(523ps)/765Nmを発生する。バッテリー総電力量は、xドライブ40が76.6kWh、xドライブ50が111.5kWh。航続可能距離は、xドライブ40が327〜425km、xドライブ50が549〜630kmとなっている。しかも、最大200kWのDC急速充電が可能で、残量約10%のバッテリーを40分以内で80%まで充電でき、10分以内の充電で120km以上の走行距離に匹敵するエネルギーを蓄えることができる。
自動運転およびパーキング機能など、運転支援や安全&快適装備も充実したBMW iX。日本仕様の正式デビューは2021年秋の予定だが、初期生産モデルの「ローンチエディション」は、すでにBMW オンラインストアで予約注文が可能になっている。
■BMW iX xドライブ40(欧州仕様) 主要諸元
●全長×全幅×全高:4953×1967×1695mm
●ホイールベース:3000mm
●車両重量:2380kg
●モーター:交流同期電動機
●最高出力:240kW(326ps)
●最大トルク:630Nm
●バッテリー総電力量:76.6kWh
●航続可能距離:327〜425km
●最高速度:200km/h
●0→100km/h加速:6.1秒
●駆動方式:4WD
●タイヤサイズ:255/50R21