電気モーターだけで動くBEV(電気自動車)の「iX3」が新たに設定されたことで、BMW X3シリーズのパワートレーンラインナップはいよいよ完成の域に達した。ガソリン、ディーゼルそれぞれに直列4気筒&6気筒ターボエンジンを設定、さらにMHEVやPHEVによる電動化など、このクラスに今、求め得るパワートレーンをほぼ網羅している。今回はそんなX3の魅力である「ハート」、つまりエンジンやモーターの違いに着目して検証してみたい。

7種類の「キャラクター」、データで見るそれぞれの魅力 その2

画像: iX3はリアアクスルに電気モーターを装備したRRレイアウトを採用。ある意味「i3」の血統を受け継いでいる。

iX3はリアアクスルに電気モーターを装備したRRレイアウトを採用。ある意味「i3」の血統を受け継いでいる。

電気モーター<iX3 Mスポーツ> :862万円

1回の充電で460kmという実用的な航続距離を確保しつつ、すぐれたパフォーマンスを発揮するピュアEVモデル。BMWとしてはi3以来となるリアモーター、後輪駆動レイアウトを採用している。

①RWD②286ps③400Nm④2200kg⑤6.8秒
⑥80.0kWh⑦19.5-18.5kWh/km⑧460km以上⑨510-1560L(数値はすべて欧州仕様)

2L 直列4気筒ターボ+PHEV<X3 xDrive30e Mスポーツ Edition Joy+/Mスポーツ>:802万円/857万円

高効率な4気筒ターボエンジンと高出力な電気モーターを組み合わせた、プラグインハイブリッドモデル。34Ahのリチウムイオンバッテリーによって、電気駆動のみでも44km(WLTCモード)の走行を可能にしている。

①4WD②184ps+109ps③300+265Nm④2060kg⑤6.1秒
⑥50L+12kWh⑦11.8km/L※⑧590km⑨450-1500L

2L 直列4気筒ディーゼルターボ<X3 xDrive 20d xライン/Mスポーツ>:719万円/766万円

iX3に匹敵する最大トルクを発生する2L直4ディーゼルターボエンジンを搭載。タンク容量も大きく、満タンあたりの航続距離はほぼ1000kmに達する。欧州ではすでにMHEVとの組み合わせも実現している。

①4WD②190ps③400Nm④1915kg⑤-秒
⑥68L⑦14.5km/L※⑧986m⑨550-1600L

2L 直列4気筒ターボ<X3 xDrive 20i xLine>:699万円

やはり本国ではMHEV仕様もすでにデビューしているが、ベーシックラインとしてのバリューはいまだに高い。効率に優れた2L直4ツインパワーターボを搭載する。

①4WD②184ps③300Nm④1830kg⑤-秒
⑥65L⑦12.0km/L※⑧780km⑨550-1600L

iX3はRWDのみ。しかしもしかすると「別世界」が待っているかもしれない

画像: xDrive 30eは駆動用リチウムイオンバッテリーを後席下に配置。電気モーターは前後輪それぞれに1基ずつ装備する。

xDrive 30eは駆動用リチウムイオンバッテリーを後席下に配置。電気モーターは前後輪それぞれに1基ずつ装備する。

絶対性能に関しては日常的に日本の公道で使用する限り、どのモデルを選んでも不満を感じることはまずないはず。それでも「速さ」にこだわるのなら、予算に合わせてMモデル3タイプの中から選ぶことになるだろう。

一方で価格とパフォーマンス、とくにグランドツアラーとしてのキャラクターにこだわるのなら、直4ガソリンターボとプラグインハイブリッドのコンビネーションがバランス的にもいい。さらに航続距離を重視するならば、やはりディーゼルのチョイスがベストとなる。

新参のiX3はなじみ深いX3をベースにしていることもあって、ある意味「初めての電気自動車」として最適と言えるかもしれない。航続距離も十分だし、荷室も広めで使い勝手がよさそうだ。

iX3の場合、ちょっと気になるのは4WDの設定がないこと。しかし「ポルシェ 911なみの前後重量配分」などという関係者の証言を聞くと、別の意味でわくわくしてくる。まだ試乗する機会は設定されていないが、もしかすると、ワインディングを走らせたら抜群に楽しい電動SUVに仕上がっているかもしれない。(文:Webモーターマガジン編集部 神原 久/写真:永元秀和、BMW AG)

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