「10年ひと昔」とはよく言うが、およそ10年前のクルマは環境や安全を重視する傾向が強まっていた。そんな時代のニューモデル試乗記を当時の記事と写真で紹介していこう。今回は、フォルクスワーゲン パサートとパサートヴァリアントだ。
フォルクスワーゲン パサート（2011年：フルモデルチェンジ）
セダンとワゴンのヴァリアントが同時に発表された新型パサート。どちらもスタイリングに派手さはないが、長く乗るには良さそうだ。
フォルクスワーゲンのミドルサルーン＆ワゴン、パサートがフルモデルチェンジされた。エクステリアはゴルフにも通じるデザインに一新。そして日本仕様は1.4LのTSIエンジン＋7速DSGにアイドリングストップも備え、このクラスではトップレベルの燃費を実現した。
「このボディサイズで1.4L？」というのは、新型パサートの概要を聞いて誰もが発する言葉だろう。最近、低排気量＋ターボ＋DSG（DCT）で、低燃費とストレスのない走りを両立させているフォルクスワーゲンだが、パサートのサイズを想像すると少々心配になってしまう。
しかし、今回日本に導入されるパワートレーンは、1.4L シングルターボ＋7速DSGの組み合わせのみ。122psという最高出力の数値は少々不安だが、最大トルクは20.4kgm。ちなみにこれはBMW 320iと同じ数値。これを1500rpmという低い領域から発生するので、予想を覆すほどよく走ってくれる。
街中〜バイパスのクルージングならカッタルさとは無縁だ。さすがに高速道路の巡航では、ちょっとボーッとしてアクセルペダルが緩むと途端に速度が落ちてくるが、そこは標準装備のクルーズコントロールを活用したい。そうすれば、渋滞の発生源になる心配はなさそうだ。
