2022年の年央までに日本、アメリカとカナダ、欧州、中国などのマーケットへ導入開始を予定しているスバル新型BEVのお披露目が東京・渋谷で行われた。プロトタイプモデルながら完成度の高い仕上がりぶりはほぼ市販モデルと言えるものだった。その概要をご紹介しよう。(Motor Magazine 2022年1月号より)

十分な一充電走行距離。AWDとFWDを設定

2021年11月11日、スバルがこれから生み出していくBEV(バッテリーエレクトリックビークル=電気自動車)の礎となるモデル「ソルテラ」が発表された。「ソル」とは太陽、「テラ」は大地や地球を意味するラテン語で、今後の時代性が巧みに表現されたネーミングといえる。

このソルテラは、FRのスポーツカーであるスバル BRZ/トヨタ GR86と同じようにトヨタ自動車との共同開発によって生まれたもので、トヨタ版の新型BEVが「bZ4X」となる。

ソルテラは、共同開発による「e-SUBARU グローバルプラットフォーム」と命名されたBEV専用のプラットフォームを採用する。目指したのは、スバル車らしい高い操縦安定性とドライバーのハンドル操作に対してリニアに反応する動的質感の高さで、キャビンのフロア下に駆動用リチウムイオンバッテリーをフラットに敷き詰めるとともに、モーター+トランスアクスル+インバーターが一体化されたアクスルの配置で、低重心化が実現されている。

画像: ハンドル越し見る形となるメーターパネルはダッシュボードの上部にレイアウトされる。シフトセレクターは、センターコンソール上に配置されたダイヤル式を採用。ソルテラは、まず通常の円型ハンドル仕様のみで登場する予定。

ハンドル越し見る形となるメーターパネルはダッシュボードの上部にレイアウトされる。シフトセレクターは、センターコンソール上に配置されたダイヤル式を採用。ソルテラは、まず通常の円型ハンドル仕様のみで登場する予定。

ソルテラのボディサイズは、全長4690×全幅1860×全高1650mmで、フォレスター標準モデル(4640×1815×1715mm)と近いディメンジョンを持つ。ただしソルテラのホイールベースは2850mmで、フォレスターの2670mmより180mmも長く、アウトバック(2745mm)をも上回る。それだけ前後シートの間隔が広く取られているわけで、着座してみると後席乗員の足元には十分すぎるほどの余裕が感じられた。センタートンネルがなく、フラットなフロアも特徴だ。

搭載するリチウムイオン電池の容量やモーターの仕様などはbZ4Xと同じで、総電力量71.4kWh、FWD(前輪駆動)モデルとAWD(4WD)モデルの2本立てだ。AWDモデルにはスバル車ならではのXモード制御も採用されて、悪路走行での安心感を高めてくれる。

さらに悪条件下で車両の安定性と一定速の走行を可能とするグリップコントロール機能も搭載される。WLTCモードによる一充電走行距離は、FWDモデルが530km前後、AWDモデルが460km前後となる。

FWDモデル搭載モーターは最大出力150kW仕様、対してAWDモデルは前後それぞれ最大出力80kW仕様のモーターを搭載してシステム最大出力160kW仕様とされる。目的に応じて駆動方式を選ぶことで、どちらもほぼ同様の高い使い勝手を実現するための設定だと感じられる。

2022年半ばに予定されているデビューが楽しみなモデルだ。(文:Motor Magazine編集部 香高和仁/写真:永元秀和)

画像: ボディカラーでもスバル車らしさをアピール。生産を担当するトヨタの工場には専用の塗料タンクを追加してもらったという。

ボディカラーでもスバル車らしさをアピール。生産を担当するトヨタの工場には専用の塗料タンクを追加してもらったという。

スバル ソルテラ FWD<AWD> 主要諸元

●全長×全幅×全高:4690×1860×1650mm
●ホイールベース:2850mm
●車両重量:1930kg~<2020kg~>
●モーター:交流同期電動機
●最高出力:前150kW<前80kW/後80kW>
●システム最高出力:前150kW<160kW>
●バッテリー総電力量:71.4kWh
●WLTCモード一充電走行距離距離:530km前後<460km前後>
●駆動方式:FWD<4WD>
●タイヤサイズ:235/60R18<235/60R18もしくは235/50R20>

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