日本導入も秒読みに入った新型プジョー308に期待
いまだに続くコロナ禍や、それに起因する半導体の不足もあって、供給体制の混乱から脱しきれないのが世界の市場における現在の新車事情。日本のマーケットも例外ではなく、台数的にも前年を大幅に下回る結果が伝えられたりもしている。たとえばフォルクスワーゲンの新型ゴルフなどは、そうした事情の「影響が大きかった」と目されているモデルだ。
日本でのデリバリーが始まる直前に生産の落ち込みがはじまり、混乱を最小限に抑えるためすでに出荷がスタートしていた他国への供給を優先されたといった特殊事情なども、そこに追い打ちをかける一因になったと伝えられている。日本への導入が、ランニングコンポーネンツを共有するアウディの新型A3シリーズに先を越される結果となったのも、どうやらそうしたゴタゴタとも無関係ではなかったようだ。
それでも2021年12月下旬には、ようやくベーシックグレードに続く「GTI」や「TDI」といったバリエーションの上陸も始まった。日本では圧倒的に高い知名度を持つモデルであるだけに、ひと足早く上陸を実現させた兄弟モデルのアウディA3シリーズ以上に、輸入車全体の話題性を盛り上げることを期待している。
新型アウディA3は、同時にローンチされた「S3」というハイパフォーマンスバージョンのみならず、モータースポーツ部門であるアウディスポーツ社による「RS3」も、完全刷新の末に導入されてさらなる景気づけの役割を担っている。ゴルフにも、この先際立ったハイパワーを発するエンジンに新たなる4WDシステムを組み合わせた「R」が国内導入される可能性は非常に高く、ようやくフルバリエーション体制が確立されることが確実だ。
Cセグメントについてさらに言えば、プジョーの新型308の動向にも注目している。8年ぶりにフルモデルチェンジを行ったプジョーの新しい308がいよいよ日本にも導入される。内外装を一新して新型ゴルフを上回るサイズへと成長を遂げ、現行型を上回るセールスに期待したい。
一方、今やそのブランド名称を呟いただけでは、一体どのモデルのことを示すのかわからないほど多彩なバリエーションを取り揃えるMINI。2021年5月のマイナーチェンジでフロントグリルがやや大きくなったことなどでも賛否両論を巻き起こしているベーシックな3ドア/5ドアシリーズだが、「継続は力なり」という言葉を実践するように今でもとくに高い存在感を放つ。
Bセグメントにカテゴライズされるが、フィアット500やそれをベースとするアバルト595についても同じようなことが言えそうだ。ただし、こちらはすでに新世代のBEVバージョンが欧州で走り始めているので、そこにこの先エンジン搭載仕様が追加されるのか? さらに日本市場への導入はどうするつもりなのか? と日本での先行きが不透明な感も。現行型が高い人気を博しているだけに、この2車の近未来は大いに気になるところでもある。