2021年12月16日に発売が開始されたアウトランダーPHEVは、月1000台の販売計画に対し約3カ月で1万台の受注台数を記録した。これは先代モデルの年間販売台数の約1万1000台に迫る。そんな好発進となった新型を今回は、三菱お家芸の四駆性能をテストすべく雪道に連れ出した。(Motor Magazine 2022年4月号より)

雪道で効果を発揮する「ワンペダルモード」

三菱のクルマは大自然が似合う。やはり、厳しい環境をものともせず目的地に速く到達するという冒険ラリーと、さまざまな路面状況を制し1秒を削り取って走るスピードラリーという、同じラリーでも大きく異なる両方のフィールドで、培ってきた技術力がそう思わせるのだろう。そしてその技術を、今の時代に求められる最高の形で具現化したのが、アウトランダーPHEVなのだ。

画像: 12.3インチ大画面フルカラー液晶ドライバーディスプレイ、9インチのスマートフォン連携ナビゲーションを採用。

12.3インチ大画面フルカラー液晶ドライバーディスプレイ、9インチのスマートフォン連携ナビゲーションを採用。

言うまでもなく、ガソリンエンジンとモーターは得意分野が違う。ガソリンエンジンに比べると、モーターは瞬時にダイレクトに駆動力を発揮できるという性格を持っている。発進加速がスムーズであり、中間加速で有利であり、そしていちばん力が必要なところでモーターがサポートしてくれるので燃費にも利く、ということが一般的に言われるPHEVのメリットになるが、その他にも利点がある。それは、モーターを搭載していることで、クルマの動きの制御、たとえば横滑りを感知した時にも、それに対応する制御が瞬間的にできるということだ。

今回訪れたような雪道は、言うまでもなく路面のμが低いが、アウトランダーPHEVは、縦横の滑りにも、瞬時に応答してくれる。その際、ただ滑らせないというのではなく、その応答対応力が幅広いというのが、大きな魅力なのだ。

雪道を安心して走りたい時にはスノーモードがいい。しかもイノベーティブペダルオペレーションモードという、強力な助っ人まで用意されている。これは、アクセルペダルを離すと強力な回生ブレーキ力が得られる、いわゆるワンペダルモードで雪道では最強のサポート役となるのである。

経験ある人も多いと思うが、雪道でいちばん難しいのは、ブレーキペダルの踏み方だ。タイミングが遅れたり、ペダルの踏み加減も難しいから、知らず知らずのうちに恐怖心も加わってしまうが、このモードを選択すれば、アクセルペダルをオフするだけで、簡単に速度コントロールができてしまうのである。

完全停止まではしない機構だが、スノーモードであれば、自信を持って走れるぐらい安全に減速してくれるので、とても安心感が高い。イメージ的には、ツルツルの革靴からスノーブーツに履き替えたくらい、安心感と歩きやすさの差があるレベルだ。

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