「10年ひと昔」とはよく言うが、およそ10年前のクルマは環境や安全を重視する傾向が強まっていた。そんな時代のニューモデル試乗記を当時の記事と写真で紹介していこう。今回は、BMW 1シリーズだ。

BMW 1シリーズ(2011年:2代目フルモデルチェンジ)

フルモデルチェンジされたBMWのエントリーモデル、1シリーズの国際試乗会がドイツのベルリンで行われた。まずは5ドア ハッチバックのみでの登場だが、日本にも今秋(編集部註:2011年秋)には導入が予定されている。

画像: 従来型より85mm長く17mm幅広いが車高は同じ。ホイールベースは30mm、トレッドは前51mm/後72mm拡大されている。

従来型より85mm長く17mm幅広いが車高は同じ。ホイールベースは30mm、トレッドは前51mm/後72mm拡大されている。

新1シリーズのデザインは現行型を踏襲しているが、サイズはひとまわり大きくなった。実車は写真よりもエレガントで、類似性を持たせながら明らかに現行モデルと違う。そしてBMW伝統の後輪駆動を踏襲し、一部で噂になっていた前輪駆動の採用はなかった。大きくなったとはいえ、日本でも使いやすいサイズだ。デザインにドッシリとした安定感があるのはフロント51mm、リア72mmの大幅なトレッド拡大でタイヤが張り出した効果も大きい。

日本に導入されるのは118i(編集部註:日本での名称は120i)が最初になる。118のエンジンは1.6Lの直4 直噴ツインスクロールターボだ。吸排気バルブタイミングコントロールであるダブルVANOS、可変バルブリフトのバルブトロニックを搭載した、BMWの真骨頂といえるエンジン技術を満載している。

実際にドライブすると実用性にはまったく不足ないのだが、これまでのような高回転でのパンチ力には乏しい。だが全域で力がある感じだ。搭載されるトランスミッションはこのクラスでは望外なトルコン8速ATで、エンジン出力を効率良く伝える。日本仕様はこのATのみでMTは予定されていないのは残念だが、試乗車は6速MTだった。

画像: BMWらしいドライバーオリエンテッドなコクピット。試乗車は6速MTだったが日本仕様は8速AT(本国ではオプション)になる予定。

BMWらしいドライバーオリエンテッドなコクピット。試乗車は6速MTだったが日本仕様は8速AT(本国ではオプション)になる予定。

インテリアも、これまでのイメージとはガラリと変わっていた。コントロール類はすべBMWらしくドライバーに向けられて、メーター類もこれまでの素っ気ないものからカラーパネルになるなど見た目にも華やかだ。そしてややタイトなBMWらしいコクピットも、ドライバーの気持ちをくすぐる。

さらにリアシートは、これまでの1シリーズではけっしてほめられたものではなかったが、レッグルームは20mmほど広げられ平均的なドライバーがドラポジを合わせても後席には余裕が生じる。ラゲッジルームも拡大された。現行型よりも30L大きいそうだが、実際の収納力は寸法以上だ。

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