フィアット初のBEV(バッテリー電気自動車)、フィアット500eに早くも試乗することができた。市街地を中心に都市高速も走ってみたが、従来型譲りの可愛さとキビキビ感は変わらずに、EVならではの速さも味わうことができた。

BEVでもオープンエアモータリングを楽しみたいなら

画像: カジュアルなBEVでも光と風を浴びて走りを楽しみたいなら、この500e オープンは唯一無二の存在になりうる。

カジュアルなBEVでも光と風を浴びて走りを楽しみたいなら、この500e オープンは唯一無二の存在になりうる。

次に試乗したのは、BEVでは唯一無二のカブリオレとなる「オープン」。装備は「アイコン」に準じるので、エコレザーシートや「イントレチャーダ」と呼ばれる細い革を編んだ風の樹脂製インパネなどでインテリアはちょっと高級な雰囲気。安全装備もアダプティブクルーズコントロールやレーンキーピングアシスト、ブラインドスポットアシストなどを標準装備する。

カブリオレといっても従来型と同様にサイドウインドー部は残り、しかもフルオープンにするとたたんだトップが嵩張って後方視界が悪くなるので、トップだけを開けた状態(スイッチを1回押すと、この状態で止まる)で光や風を楽しみながら乗るほうが快適だ。それでも、高速走行ではそれなりにノイジーとなるが。

ポップより40kg(アイコンよりは30kg)車両重量は重いが、パワー感は変わらない。ポップ同様、十分以上に速く走れるし、ゆったりと街を流すのも楽しい。オープンとアイコンは17インチの45タイヤを履くが、こちらのほうがポップよりダンピングも良く乗り味は締まっており、アダプティブクルーズコントロールや安全装備も満載だから、高速を走る機会が多いならオープンかアイコンを選びたい。

画像: オープン(とアイコン)は、FIATのロゴをアレンジしたエコレザーシート(ヒーター内蔵)やセンターアームレストなどを標準装備。

オープン(とアイコン)は、FIATのロゴをアレンジしたエコレザーシート(ヒーター内蔵)やセンターアームレストなどを標準装備。

500eは前後アクスル間に駆動用バッテリーを搭載するが床は高くなっておらず、運転席の左足下は少し狭いものの自然なドラポジが取れるのは好感が持てる。とはいえ、従来型同様、おとなにはリアシートのヘッドスペースが不足しているし、ラゲッジスペースもミニマム。実質的な航続距離を考えると、シティコミューター的な使われ方になるだろう。

このスタイルが気に入って、セカンドカーでEVが持てるというのなら、500eはけっこう良い選択肢になるだろう。サブスクを含むリースのみでの販売方法もユニークだ。今後は、MINIやスマートもEVだけになるという。日本でも軽自動車のEVが登場してくるし、EV化の波は全ジャンルで拡大していくようだ。(文と写真:Webモーターマガジン編集部 篠原政明)

画像: オープンの装備はアイコンに準じたものとなる。ソフトトップの開閉はもちろん電動で、リアウインドーはガラス製。

オープンの装備はアイコンに準じたものとなる。ソフトトップの開閉はもちろん電動で、リアウインドーはガラス製。

■フィアット500e ポップ<オープン> 主要諸元

●全長×全幅×全高:3630×1685×1530mm
●ホイールベース:2320mm
●車両重量:1320kg<1360kg>
●モーター:交流同期電動機
●最高出力:87kW(118ps)/4000rpm
●最大トルク:220Nm/2000rpm
●バッテリー総電力量:42kWh
●WLTCモード航続距離:335km
●駆動方式:FWD
●タイヤサイズ:195/55R16<205/45R17>
●車両価格(税込):450万円<495万円>

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