パワートレーンは一挙に4タイプ。PHEV、MHVもラインナップ
マツダの新たな戦略として注目を浴びるラージ商品群第一弾となるクロスオーバーSUV「CX-60」。欧州に続いて日本仕様が2022年4月7日に公開されたが、いよいよ6月24日より予約受注が開始される。
日本のマーケットに投入される「CX-60」は、デビュー直後から一気に、4種類のパワートレーンが設定されている。それぞれに意のままの走りと環境性能の進化を追及したものだが、注目の直列6気筒ディーゼルターボは、プリミティブなICEと48Vシステムの「M Hybrid Boost」付きを選択できる。ガソリンモデルのICE、PHVは2.5L 直列4気筒だ。
プラットフォームは、縦置き高出力パワーユニットに対応した、新開発の「SKYACTIVマルチソリューションスケーラブルアーキテクチャー」が用いられ、より大きなパワーを思い通りに操る感覚を提供してくれるという。
サスペンションは前輪にダブルウィッシュボーン、後輪にマルチリンクを採用。人間中心の開発思想に基づき、サスペンションをスムーズに動かすことで、日常の様々なシーンにおいてしなやかな乗り心地の実現が図られている。
ロードスターで高い評価を得ている、人馬一体の走りの楽しさをさらに高める「キネマティック・ポスチャー・コントロール(KPC)」も装備される。日常域でスムーズに動くサスペンション構造を活かしながら、ハイスピードのコーナリングにおいてもより一体感があり、より安定した旋回姿勢を味わうことができる。
ヒルディセントコントロールをマツダ車として初採用
トランスミッションは、新開発のトルコンレス8速AT。多段化による滑らかで応答の良い変速とワイドレンジ化により、走りと環境性能の両立を目指してのことだ。
シートは、前後左右のGに対して乗員がバランスを取りやすいよう、骨盤を立たせるサポート構造。バネとウレタンもクルマからのフィードバックを感じやすい特性に進化させることで、よりシンクロした人とクルマの動きに注視してのことだ。
駆動形式はFFと4WDを選択できる。4WDは新開発の後輪駆動ベースのi-ACTIV AWDが採用される。減速時には回生協調ブレーキと連携し、前後の回生配分を最適化することで、効率的で安定した制動姿勢を実現してくれるそうだ。
「マツダインテリジェントドライブセレクト (Mi-Drive)」では、新たにEVモードとトーイングモードが追加される。オフロードを含めたさまざまな走行シーンに最適化した「人馬一体の走り」を大いに期待してもいいだろう。
■Mi-Drive 走行シーンに応じて選択できる5つのモード
【NORMAL MODE 】
燃費と走行性能のベストバランス。 日常ユース全般において快適な乗り心地を提供。
【SPORT MODE】
応答性の向上など、ダイナミクス性能のポテンシャルを最大限に発揮。 あわせてAWD機能を活用して操舵安定性を向上する。
【OFF-ROAD MODE】
未舗装路や深雪を走行する際に最適なモード。 AWD やトラクションコントロールシステム (TCS) をトラクション重視の特性に変更する。スタック脱出をサポートする 「オフロード ・ トラクション ・ アシスト」 機能も装備。
【TOWING MODE】
「トーイング(牽引)」する際に使うモードを新設定。パワートレインの出力特性を重量増加状態に最適化することで、走りのゆとりを確保してくれる。 AWDの制御も最適化されるので、直進安定性などが向上する。
またトレーラー牽引状態にAWDを最適化することで直進安定 性を向上し、 長距離走行をより快適にします。
【EV MODE】
PHEVモデルにのみ設定。環境性能に優れるだけでなく、 閑静な住宅街などで周囲に配慮した走行を可能にする。
「ヒルディセントコントロール」が、マツダ車として初採用されたのも話題のひとつだ。ドライバーがブレーキを踏み続ける必要がある急な下り坂で、ドライバーが任意に設定した車速を維持し、安全な降坂走行をサポートしてくれる。
「ドライバー・パーソナライゼーション・システム」にも注目したい。ドライバーの体格に合わせて理想的なドライビングポジションを自動調整する自動ドライビングポジションガイドなど、クルマとの一体感、安心・安全をご提供してくれるシステムだ。パッケージオプションとして5万5000円(税込)で設定されている。