トヨタと共同開発されたスバル初の量産電気自動車(BEV)ソルテラ。これまでは雪上でのテストドライブを伝えてきたが、今回はついに公道で試乗する機会を得た。ここではその印象を報告する。(Motor Magazine 2022年8月号より)

走りにスバルならではのこだわりをしっかり感じた

前述のとおり、回生の強さはパドルでも選ぶことができる。標準状態を起点に弱める方向に1段、強める方向に2段の計4段階に調整可能だ。ワインディングロードなどでリズム良く走りたいという時には、こちらを使うのもアリ。その時にはPOWERモードに入れれば、アクセルペダル操作に対するピックアップが一層鋭くなるから、バランスが取れそうだ。

画像: 前後にそれぞれモーターを搭載し駆動する4WDモデルとフロントのみを駆動するFWDモデルが揃う。

前後にそれぞれモーターを搭載し駆動する4WDモデルとフロントのみを駆動するFWDモデルが揃う。

姿勢変化が抑えられたフットワークは、操舵に対する正確な反応が心地良い。bZ4Xと比べるとダンパー減衰力、そしてステアリング操舵力がしっかりめに設定されているということで、持ち前の優れた前後重量配分、低い重心と相まって、コーナーが連続するような区間では、まさに水を得た魚といった走りを堪能できた。

一方でその分、乗り心地が硬めなのも事実で、上下方向への揺さぶりが気になる場面も。しかしながら速度を上げていくにつれて、乗り心地は格段にフラットになってくる。とくに高速道路では、煮詰められた空力性能や長いホイールベースなどのおかげで実に爽快に走ってくれる。どうやらソルテラは、こうして速度の高い領域で走らせた方が旨味が発揮されやすいクルマなのかもしれない。

エンジン起因の騒音、振動がないBEVは、ロードノイズがもう少し抑えられれば、標準装備されるharman/kardon製オーディオがもっと楽しめるはず。現状ではオプションのトノカバーを付けるだけでも効果がありそうだ。 

行程の都合で、86.5km走行の時点で充電に。この時の残り航続距離は149kmと出ていた。つまり、まだ47km分しか減っていないことになる。やはり表示は相当なマージンをもったものだったようだ。走り切れるつもりだったのに目的地まで着けなかったということがないように、あえて厳しめに表示しているのは、メーカーの親切心というところだろう。

初めての量産BEVでありながら、ドライバビリティや使い勝手のツボはしっかり押さえられているし、走りにスバルならではの個性もちゃんと感じられたソルテラ。ユーザーにもやはりBEVは初めてという人が少なくないだろうが、おそらくさほど違和感なく使うことができ、それでいてBEVの旨味、スバルらしさを存分に味わうことができるはずだ。(文:島下泰久/写真:永元秀和) 

■スバル ソルテラ ラインナップ

ET-SS (FWD、1モーター<150kW/266Nm>、一充電走行567km ):594万円
ET-SS (AWD 、2モーター<80kW+80kW/169Nm+169Nm>、一充電走行542km ):638万円
ET-HS (AWD 、2モーター(80kW+80kW/169Nm+169Nm>、一充電走行487km ):682万円

■スバル ソルテラ ET-HS 主要諸元

●全長×全幅×全高:4690×1860×1650mm
●ホイールベース:2850mm
●車両重量:2030kg
●モーター:交流同期電動機
●モーター最高出力:前80kW/4535-12500rpm、後80kW/4535-12500rpm
●モーター最大トルク:前169Nm/0-4535rpm、後169Nm/0-4535rpm、
●バッテリー総電力量:71.4kWh
●WLTCモード航続距離:487km
●駆動方式:4WD
●タイヤサイズ:235/50R20
●車両価格(税込):682万円

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