「10年ひと昔」とはよく言うが、およそ10年前のクルマは環境や安全を重視する傾向が強まっていた。そんな時代のニューモデル試乗記を当時の記事と写真で紹介していこう。今回は、トヨタ カムリ(9代目)だ。

インテリアのしつらえや後席の快適性は上出来

世界中で高く評価されているグローバルカーだけに、インテリアの質感はクラス水準を超えている。シルバーやカーボン調の加飾パネルだけでなく、インパネのソフトパッドにもブラウンのステッチを入れ、上質感を高めた。同クラスの欧州車などと比べて見劣りしないレベルだ。だが、カムリは以前から上質ムードを売り物にしていた。それゆえ、2代前のモデルと比べるとコストダウンを感じる部分もある。

画像: ソフトパッドでインパネ全体を覆い上質感を高めた。また、センタークラスターパネルはインパネよりも少し手前に張り出すことで操作性を向上した。

ソフトパッドでインパネ全体を覆い上質感を高めた。また、センタークラスターパネルはインパネよりも少し手前に張り出すことで操作性を向上した。

それでも世界基準の高効率パッケージングを採用しているカムリのキャビンは広く、快適だ。前後席間距離を先代より15mm延ばし、後席の膝元空間も46mm広げた。また、前席のスライド量を7mm前に出し、後席は後方に8mmずらされている。

それだけではない。ステアリングコラムの角度を最適化し、シートの調整幅も広げている。フロントシートは大ぶりだから体格にかかわらずベストなポジションを取ることができる。頭上も余裕たっぷりの広さだ。フロントピラーも細いから斜め前方の視界もいい。ドアトリムのスイッチベース部を薄く設計したからドア側の膝まわりにも余裕がある。が、Cピラーは思いのほか太いから、斜め後方の視界は今一歩だ。

後席は前席のシートバックを薄型化して膝まわりスペースを広げたこともあり、快適に座れる。また、コンソールボックスの形状なども工夫されており、後席の中央に座ってもそれほど窮屈ではない。シートバックは6:4分割可倒式で、右側の部分にトランクスルー機能を盛り込んだ。ちょっと大きめの荷物を積むときは重宝するだろう。スペアタイヤを標準装備しているが、トランクの容量は十分だ。

快適性が高く、安全装備も充実している新型カムリは魅力的なハイブリッド専用車だ。走りの実力と装備の充実度、そして良好な燃費を考えると、かなりの買い得車と言って良いだろう。

画像: ゆったりとしたドライビングシートは上下に60mm、前後スライド量は240mmと調整幅を広く持たせている。

ゆったりとしたドライビングシートは上下に60mm、前後スライド量は240mmと調整幅を広く持たせている。

■トヨタ カムリ ハイブリッド Gパッケージ 主要諸元

●全長×全幅×全高:4825×1825×1470mm
●ホイールベース:2775mm
●車両重量:1540kg
●エンジン:直4 DOHC+モーター
●総排気量:2493cc
●最高出力:118kW(160ps)/5700rpm
●最大トルク:213Nm(21.7kgm)/4500rpm
●モーター最高出力:105kW(143ps)
●モーター最大トルク:270Nm(27.5kgm)
●システム最高出力:151kW(205ps)
●トランスミッション:電気式無段変速機
●駆動方式:横置きFF
●燃料・タンク容量:レギュラー・65L
●JC08モード燃費:23.4km/L
●タイヤサイズ:215/55R17
●当時の車両価格(税込):317万円

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