シトロエンの哲学に基づく大胆で革新的、かつ快適なロングツーリングを実現
コロナ禍、半導体不足、材料費の高騰、サプライチェーンの混乱など、さまざまな課題を抱えた中でも、日本市場におけるシトロエンは好調だ。2016年の登録台数は2000台ほどだったが、昨2021年は約5900台に、そして2022年は6000台を超えることは間違いないという。
これは、「シトロエンがブランド価値とデザイン言語を個性化と電動化の時代に移行させるべく、意図的にモデルラインの拡大と若返りを行ってきた、そのレジリエンス(弾力性)によるものだ」と、発表会の冒頭でポンタス・ヘグストロムCEOは語った。
実際、2018年には日本で販売されているシトロエン車は3車種しかなかったが、年々モデルラインナップを拡大し、2020年には5車種へ、そして2022年、このC5 Xの導入で7車種となり、しかもBセグメントからDセグメントまでフルラインで揃った。さらに、パワートレーンもBEV/PHEV/ディーゼル/ガソリンの4種がチョイスできるのだ。
そんなシトロエンの新しいフラッグシップ「C5 X」は、2016年のパリ・モーターショーに出品された「CXPERIENCE コンセプト」をベースとする。2021年4月に初公開されたが、いよいよ日本デビューを果たした。
伸びやかなフォルムと大径ホイールのコーディネイトが斬新
C5はシトロエンのトップレンジを意味し、XはCXに始まるブランドの系譜を継承する。さらにセダン/ステーションワゴン/SUVのシルエットを統合させた「クロスオーバー」という意味もある。
ボディサイズは、全長4805×全幅1865×全高1490mm、ホイールベースは2785mmで、Dセグメントの中心に位置するゆとりあるサイズだ。
フロントフェイスはC4に通じるV字型のライティング シグニチャーが特徴的で、ブランドとしての統一性が図られている。ボンネットとボディサイドに刻まれたキャラクターライン、そして大径ホイールとブラックホイールアーチがダイナミックな印象を与え、ルーフに沿って流れるクロームラインがアクセントとなっている。大型のスポイラーを上下に備えたテールゲートと、サイドにまで大胆に回り込むテールランプがリアビューからもその強い個性を印象づける。
広いガラスエリアに囲まれた明るいキャビンは、水平基調にデザインしたダッシュボードと、フロントドアまで回り込ませたウッド調のデコラティブパネルがゆとりある空間を演出している。さらに室内に開放感をもたらすためリアクオーターにもウインドーを設けている。