新型 グラントゥーリズモは、EVだけではなかった!?
ギブリ(初代)やシャマル、そして3200GTといった、マセラティの伝統を継承するスポーツクーペが、「グラントゥーリズモ(GranTurismo)」だ。先代は2007年に登場し、すでに2019年に生産を終了している。そして、この生産終了時に「次期型はフルEV(電気自動車)になる」と発表され、新型コロナウイルス感染拡大などの影響で開発が遅れ気味なものの、プロトタイプが市街地をテスト走行する姿や、新型の外観写真が公開されたりはしていた。
だが、今回発表されたリリースによると「V6 ネットゥーノ エンジンを搭載した『モデナ』と『トロフェオ』で公式発表に先駆けて公道を走行した」とある。つまり、新型 グラントゥーリズモはフルEVだけでなく、ICE(内燃機関)搭載モデルもラインナップされる!ということだ。
ネットゥーノ(Nettune)とはイタリア語でネプチューン(海神)、つまりマセラティのエンブレムであるトライデント(三つ叉の矛)の持ち主を意味する。そんな由緒ある名を付けられたエンジンはマセラティが100%自社開発したもの。
マセラティ久々のスーパースポーツ、MC20に搭載されたネットゥーノは、排気量3LのV6 DOHCツインターボで、最高出力は630ps、最大トルクは730Nmを発生する。新型グラントゥーリズモに搭載されるユニットも、これと同等のパワースペックを発生するだろう。
フォルゴーレとともに、ラグジュアリーモビリティの新時代を拓く
同じグレード名を採用しているクロスオーバーSUVのグレカーレから推察すると「モデナ」より「トロフェオ」のほうが上級グレードになると思われる。
新型グラントゥーリズモは、75年前に誕生したマセラティのアイコンの復活を目指している。革新的なスピリットで、当時の同等のクラスの先駆者的存在となった、A6 1500から始まっており、歴代のマセラティ車だけでなく、世界中の自動車に影響を与えた。
100%メイド in イタリアのグラントゥーリズモは、その名のとおり長距離走行や快適な旅に適した高性能モデルだ。そのコンセプトは、第二次大戦後にイタリアが高度経済成長期を迎え、マセラティの優れた製品力、力強さ、前向きさ、屈託ない姿勢、そしてライフスタイルの楽しみ方を世界に示す手段として生まれた。マセラティは、性能と快適性を両立させたラグジュアリー モビリティの新しい概念を作り出したのだ。
なお、新型グラントゥーリズモには、このネットゥーノ搭載モデルだけでなくハイブリッド車(おそらくPHEV)も予定されているらしい。また、フルEVの「フォルゴーレ」も2023年には発売される予定だ。どうやらそれに先がけて、このネットゥーノ搭載モデルがデビューするようだ。まずは、正式発表を楽しみに待ちたい。