ルノー/日産/三菱 アライアンスのプラットフォームを採用
ASXは三菱がグローバルに幅広く展開するコンパクトSUVだ。日本仕様の名称はRVRだが、輸出仕様では欧州をはじめアジアなどでASXの名称が採用されており、欧州では2010年から販売されている。
今回の新型ASXは、アライアンスパートナーであるルノーより欧州市場向けにOEM供給を受けるモデルで、ベース車両はアライアンスによるCMF-Bプラットフォームを採用したコンパクトSUVのルノー キャプチャーだ。
スタイリングは、フロントからリアへと流麗なシルエットとし、後方にむかって切れ上がるキャラクターラインとフローティングルーフを採用することによって、軽快な走りを予感させる躍動感のあるものだ。また、ボディサイドを絞り込み、ショルダーを張り出すことで、大地をしっかりと捉えて駆け抜ける力強さを表現している。
フロントでは、三菱自動車のデザインコンセプト「ダイナミックシールド」の要素を取り入れ、上部にスリーダイヤを堂々と配したフロントグリルで力強さを表現しているが、キャプチャーとボディパネルを共用している関係もあり、他の三菱車ほど「ダイナミックシールド顔」にはなっていないようだ。
パワートレーンの頂点には、プラグインハイブリッドEV(PHEV)を設定。1.6Lガソリンエンジンに駆動用と発電用の2つのモーター、マルチモードの自動変速機と10.5kWhの駆動用バッテリーを組み合わせている。
さらに、1.6Lガソリンエンジン+駆動用と発電用の2つのモーター+マルチモードの自動変速機+1.3kWhの駆動用バッテリーを組み合わせたハイブリッド(HEV)モデル(ルノーによるEテック ハイブリッド)、1.3L直噴ガソリンターボエンジンと6速MTか7速DCTを組み合わせたマイルドハイブリッドモデル、1.0Lガソリンターボエンジンと6速MTを組み合わせたガソリンエンジンモデルをラインアップし、欧州の多様なニーズに対応している。
インターフェイスデザインや機能性は、ルノーのお作法で
インテリアでは、広いラゲッジルームとスライド式リアシートで利便性を高めている。
インパネ中央にはスマートフォン連携ディスプレイオーディオ(SDA)を配置。ディスプレイ上からドライバーの好みに合わせたドライブモードを選択することができる「マルチセンス」システムも採用している。また、レーダークルーズコントロールシステムと車線維持支援機能を組み合わせた高速道路同一車線運転支援機能「マイパイロット」をはじめとした先進運転支援システムも搭載する。
新型ASXは、スペインのルノー社バリャドリード工場で生産され、2023年3月より当社の販売ネットワークを通じて欧州の一部市場で販売を開始する。こうなると気になるのは、日本仕様のRVRだ。すでにデビューから12年以上が経過しており、2023年には新型の登場が噂されている。基本的にはASXと同様のスペックだろうが、日本仕様は三菱得意のPHEVが主軸になるのではないだろうか。
サイズ的には日産 キックスやホンダ ヴェゼルに近いコンパクトSUVとなるから、このクラスのSUVにまた新たな選択肢が増えることになりそうだ。