犬の歯のように噛み合うドッグクラッチを採用
グローバルで170万台以上を販売したという初代のコンセプトを引き継いだ2代目も、登場翌年の2020年には欧州でベストセラーSUVとなったほどの人気ぶりのルノー キャプチャー。ユニークなデザインにより個性が引き立てられ、ダウンサイザーが増えたことを受けて、サイズの拡大と質感の向上が図られたことも功を奏したようだ。
そんなキャプチャーにも、このところルノーが手がけた「Eテックハイブリッド」が設定された。1エンジン+2モーター、ドッグクラッチマルチモードAT、1.2kWhのリチウムイオンバッテリーという構成で、他のフルハイブリッドシステムとも一線を画している。開発には、ルノーが昔から挑戦してきたF1に携わるエンジニアが深くかかわっているという。
最大の特徴はドッグクラッチを用いていることだ。名前のとおり犬の歯のように噛み合う方式のクラッチで、素早く変速でき、構造が簡単で耐久性にも優れ、効率よくエネルギーを伝達できるなどといったメリットがある。
ルノーには日産というパートナーがいて、eパワーという優れたハイブリッドシステムを持っているのに、なぜルノーが独自にこうしたシステムを開発したのかというと、欧州のように高速走行時の効率とドライバビリティを優先したからだ。それは実際に運転してみるとよくわかる。
具体的には、91ps/144Nmを発生する1.6L 直4の自然吸気エンジンに、49ps/205Nmの駆動用モーターと20ps/50Nmの発電用モーターを組み合わせている。140psというシステム総合出力は同じシステムを積むアルカナと同じで、ルーテシアよりも若干大きい。
WLTCモード燃費は22.8km/Lと、発売時点で輸入車ナンバーワンの燃費を達成していることにも注目だ。ルノーによると、市街地の最大80%をEV走行でこなすことができ、ガソリン車と比べて最大40%の燃費低減が期待できるとしている。