インテリアがさらに楽しいツイード仕様をチョイス
ベントレーの目指す世界観、ブランドの在り方として挙げられるのがサスティナビリティです。ラグジュアリーブランドとしてPHEVという電動化にいち早く取り組んだのもその表れと思います。
今回、試乗したベンテイガハイブリッド、私は兼ねてからこうしたタイプのクルマを電動化するのが、いちばん世の中的に意味があると思っています。ベンテイガの使われ方を考えると、真っ先に家族や友人と一緒に荷物を積んで遠くにお出掛け・・・などといったシーンが頭に浮かぶと思います。でも現実を考えてみると、街乗りなどの普段使い、というのが大勢を占めるのではないでしょうか。
平日などには女性が運転しているシーンを多く見かけます。お仕事、お買い物、送り迎えなどと、女性のクルマの乗り方はひとつの目的地を往復するというよりも、その往復の間にチョコチョコ乗ったり降りたりするシーンが多く、さらに狭い道へ入っていくなどという状況も多いのです。
そうなると、ボディサイズが大きいのに大丈夫?などと思われる方も多いでしょう。確かにベンテイガは、ボディサイズは大きいのですが、アイポイントが高いので上から見下ろす格好になり、狭い道での車両感覚は想像以上に掴みやすいのです。また、どうしても見えにくいところは、カメラでフォローしてくれるので安心感も高いです。乗ったり降りたりも、ヒップポイントが低いスポーツカータイプの方が実は大変だったりで、ベンテイガの乗降性が楽なことは間違いないと思います。
そして、運動性能の良さです。SUVカテゴリーのクルマだと、時にユサユサする感じが大きくてまるで大き目の服を着ているかのように感じるモデルもあるのですが、ベントレーはやはりグランドツーリングカーメーカーです。適度なピッタリ感なので、いい意味でクルマが小さく感じられるほど操りやすいのです。さらに、電気モーターのアシストによって、いまこの時!と思った際に、ダイレクトにすぐ力を発揮してくれる点も、その操りやすさをあと押ししてくれています。
ベントレーマリナーによる「匠の技」が生み出す空間性能
つまり、乗りやすいから出動回数が増える。身の回りにいつもあるクルマの環境性能の高さ、実はこれが重要だと思うので、その意味でベンテイガハイブリッドは環境貢献度が高いと思うんですね。
ところで今回のベンテイガでとくに注目したいポイントが、そのインテリアにあります。ベントレーでは、ビスポークを担当する部門のベントレーマリナーが全ラインナップにツイードのドアトリムオプションを設定しています。
ベントレーマリナーでは種類の柄が用意されていて、試乗車が装備していたのはスコットランド北西部ヘブリディーズ諸島、そのルイス島にある荒々しい景観のビーチにちなんで名付けられた大柄チェックの「トルスタビーチグレンプレイド。他に、緑豊かな田園地帯をイメージした伝統的な「チェルトナム」、そして繊細で現代的な「チャコールヘリンボーン」と「サンドヘリンボーン」があり、どれを選ぶかによって、インテリアの雰囲気にかなり変化をつけられそうです。
「ツイードは英国スコットランドの毛織物の一種。発祥はボーダー地方のツイード川流域で、スコットランド産の短い羊毛を手紡ぎした太い糸を、手織りで平織りまたは綾織りにし、縮絨起毛させないという手法の粗く厚い織物で、繊維が短い分使用する羊毛の量が多く、生地が肉厚で保温性が高いのが特徴」インターネットで検索してみるとこのような結果が表示されました。
恥ずかしながら生まれてこの方、私はヘリンボーン柄のずっしりと重たいコートに代表されるあの織物を、総称してツイードと呼ぶのだと思い込んでいました。しかし実はまったくそうではなくて、織る前に糸をさまざまな色に染め、細かい色彩の模様を入れる技法で作られるので、多彩な柄でも生み出せるのです。