細かく緻密に制御される駆動力配分。安定感が大いに違う
ポジション的には「ラグジュアリー」の代表選手となる2.5Lは、自然吸気直列4気筒エンジン(A25A-FXS型 最高出力186ps/最大トルク221Nm)に電気モーター(119.6ps/202Nm)を組み合わせてフロントアクスルを駆動、後輪は電気モーターとインバーターを一体化したE-Fourユニット(54.4ps/121Nm)で駆動する。
ブラッシュアップされたハイブリッドシステムは、ハイパワーで電気の出入力レスポンスに優れたバイポーラ型ニッケル水素バッテリーの採用と相まって、低速域から非常にツキのよい反応を体感させてくれるた。
しかもごく低速域からもしっかり減衰力を発生させるスイングバルブ付きサスペンションのおかげで、走り出しから質感がとても高い。コーナリング時の挙動は適度にフラットで、ここでもドライバーを無駄に刺激しない品の良さを実感させてくれる。
E-Fourのサポートも緻密だ。コーナリング時にはACA制御だけでなくリア側の駆動力配分を大きくしてくれる制御が入り、旋回中の車両の挙動を安定させる方向でアシスト。おかげで積極的なドライビングでも、スムーズかつ安定した走りを楽しむことができた。
より軽快感が際立つRS。あえて聞かせるサウンドも魅力だ
快適性とスポーティ性のバランスが絶妙な2.5Lモデルに対して、2.4L デュアルブーストハイブリッドシステムを搭載する「RS」系は、走り出した瞬間から「アスリート」であることを明確に伝えてくる。
もちろん力強いことは言うまでもないのだが、数値以上に、走り出しはもちろん、全域でアクセル操作に対する反応がダイレクトだ。おかげで「意のまま」感がさらに際立っていた。
エンジン音や排気音をほどよく明確に伝えることで、ドライビングの高揚感を煽ってくれるあたりの「差別化」も大歓迎だ。低回転域ではやや直噴らしさはあるものの、回していくとノイジー感が薄れて澄んだ響きに変わっていく特性もスポーツ派としては好ましい。
足回りはスプリング、ダンパー、スタビまで2.5Lとは異なるものが採用されている。低速ではやや硬い印象はあるものの、けっして不快なレベルではない。それ以上に、より軽快な身のこなしが印象的だ。裏返せば、こと「重厚感」という意味では、2.5Lにアドバンテージがある。
ちなみに2.4Lハイブリッドのドライブモードは、ECOからCUSTOMまで6種類もチョイスできる。主にパワー特性と変速タイミングの制御が変更されるが、もっともスポーティな「SPORT+」ではEPS、DRSに加えAVSの制御も変わることになるという。