「10年ひと昔」とはよく言うが、およそ10年前のクルマは環境や安全を重視する傾向が強まっていた。そんな時代のニューモデル試乗記を当時の記事と写真で紹介していこう。今回は、スズキ スイフトスポーツ(2代目)だ。

2-3速をフルに使って走りが楽しめる

画像: カバーで本体はほとんど見えないM16A型ユニット。初代と型式は同じだが、11psと12Nmパワーアップされ、しかも中速域のトルクが厚くなっている。

カバーで本体はほとんど見えないM16A型ユニット。初代と型式は同じだが、11psと12Nmパワーアップされ、しかも中速域のトルクが厚くなっている。

続いてMTに乗り換える。こちらは先代では5速MTだったが6速MTへと進化した。新型では2〜5速をクロスレシオ化していてスポーティさを強調。6速は燃費重視の高速クルージングギアと考えれば良い。

シフトフィールはとても良く、シフトストロークも長すぎず軽快によく決まる。2速で4000rpmが約60km/hで、3速だと3000rpm。2速でトップエンドの7000rpmまで引っ張りきれば約100km/hに到達する。この2つのギアを駆使して箱根のワインディングロードを攻めるのは、とても楽しい。やはり走りを楽しみたいのならMTモデルがお勧めだ。

ハンドリングは先代と比較して明らかに上質になった。言いかえれば大人びたホットハッチへと成長したという印象だ。ローターを厚くしたタッチフィールの良いブレーキで減速しながらのヒール&トゥが良く決まる。ブレーキングでノーズダイブさせた状態からステアリングを切り込む。軽くフロントがロールしてしっかりとタイヤに荷重が掛かりコーナリングを始める。

これまでになかった大人っぽさ。けっして先代より俊敏になったわけではない。ステアリングを切ってデジタルに曲がり始めるのではなく、しっかりとフロントタイヤにパワーを溜めこんで曲がり始める印象だ。だから、深い操舵にもフロントタイヤが音を上げない。フロントのしっかり感に対してコーナー進入のターンインでリアセクションがしっかりと粘っているから、基本的には弱アンダーステアなハンドリングだ。先代にあったお尻の軽そうなヤンチャっぽさは影をひそめている。

そしてスポーティに走って感心したのはシートのホールド機能の高さだ。しっかりと身体を支えてスポーツドライビングをサポートしてくれた。新しくなったスイフトスポーツは、よりスポーティでありながら、大人のように落ち着いた安心感のあるハンドリングをみせるようになっていた。

画像: CVT車もマニュアルモードにすればスポーツ走行が楽しめるが、パドル操作には若干のシフトラグがある。

CVT車もマニュアルモードにすればスポーツ走行が楽しめるが、パドル操作には若干のシフトラグがある。

スズキ スイフトスポーツ 主要諸元 ※<カッコ>内はCVT

●全長×全幅×全高:3890×1695×1510mm
●ホイールベース:2430mm
●車両重量:1050kg<1070>
●エンジン:直4 DOHC
●総排気量:1586cc
●最高出力:100kW(136ps)/6900rpm
●最大トルク:160Nm(16.3kgm)/4400rpm
●トランスミッション:6速MT<CVT>
●駆動方式:横置きFF
●燃料・タンク容量:レギュラー・42L
●JC08モード燃費:14.8km/L<15.6>
●タイヤサイズ:195/45R17
●当時の車両価格(税込):168万円<174万8250円>

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