アメリカンラグジュアリーブランドであるキャデラックが、Eセグメントセダンの市場に放った「CT5」。近年、同ブランドはスポーツ性の強化を積極的に行っているが、ラグジュアリー性との相乗効果でどのような個性を放つのか、モータージャーナリスト岡本幸一郎氏が「CT5 スポーツ」で試乗インプレッションを行った。記事内で展開している動画もご覧あれ。
多くのファンを生み出してきたキャデラック伝統の静粛性はCT5にも
「CT5」はキャデラックブランドの伝統とドライバーズカーとしての資質を結集したEセグメントのラグジュアリーセダンである。キャデラックといえば、まずデザインがポイントだが、CT5もまさしくそう。メッシュグリルと四隅のLEDバーティカルライトにより、遠くから眺めてもひと目でキャデラックとわかる。流麗で伸びやかなワンモーションのサイドビューや、エッジの効いた彫刻的なフォルムも印象的である。
伝統と革新を見事に競演させたインテリアからは、手や目で感じる部分に往年のキャデラックに通じる「リアル素材を用いたクラフトマンシップ」を味わえるうえ、最新モデルらしくハイテク装備も満載されている。左ハンドル仕様のみの設定となっているが、だからこそぜひ乗りたいというファンもいまだに多いのだ。
タッチスクリーンにロータリーコントローラーとハードボタンを組み合わせたインターフェースは、より直感的でスムーズな操作を可能としている。加えて、高性能オーディオ「Boseパフォーマンスシリーズ サラウンドサウンド15スピーカーシステム」と「Boseアクティブノイズキャンセレーション」を組み合わせたことによる音響空間の造りこみも素晴らしい。
走行ノイズの抑制とアクティブノイズキャンセレーション技術によりラグジュアリーカーらしい静粛さを実現しながら、耳当たりのよいサウンドを乗員に心地よく提供してくれる。こうした「音の良さ」に惹かれてキャデラックを選ぶファンは少なくない。