
走行性能の強化を推し進めてきたキャデラック
2022年に120周年を迎えたキャデラックは、ビッグスリー最大規模であるGM(ゼネラルモーターズ)の中でも、最高級レンジに位置づけられるアメリカンラグジュアリーブランドで、いつの時代もとりわけデザインとテクノロジーにおいては際立つ存在であり続けてきた。
歴史を振り返ると、画期的な発明として知られるセルフスターターをはじめ、オートマチックトランスミッション、パワーステアリング、パワーブレーキ、クルーズコントロールなどを世に送り出した。現代の乗用車に用いられている技術の多くは、実はキャデラックによってはじめて世に送り出されたものだったのだ。近年でもナイトビジョンのような先進装備をいち早く採用したのもキャデラックだった。
そんなキャデラックは、アメリカ大統領専用車「キャデラック・ワン(ザ・ビーストとも呼ばれる)」をはじめ、世界中の富裕層や著名人に愛用されてきた。さらにはハリウッド映画やミュージシャン、アーティストの作品にも登場してきたことで、アメリカ文化の象徴的存在となっている。日本には1915年から輸入が開始され、皇族や政治家、芸能人らに愛用されてきた。

キャデラック CT5のフロントグリルはキャデラックエンブレムと同様の五角形デザインで、ワイドな印象。
荘厳なイメージの強いキャデラックだが、21世紀を迎えたころから「アート&サイエンス」を標榜し、斬新なスタイリングを採用するとともに、ラインナップを整理してアルファベットと数字を組み合わせた車名に変更した。
加えて、新開発のプラットフォームを採用し、欧州列強ブランドがそうであるようにドイツのニュルブルクリンクで走りを磨き、さらには高性能モデルのVシリーズを投入するなど、走行性能にも注力してきた。
これらが功を奏して、販売実績は目覚ましいV字回復を遂げている。とくに高級車需要の旺盛なアメリカと中国では顕著で、実際に筆者が数年前にアメリカ デトロイトや中国 上海に行ったときに、キャデラックがとにかく多く走っていることを印象深く感じたものだ。さらに、最近では電気自動車(BEV)のリリックやセレスティックなど次世代に向けた斬新なニューモデルも送り出している。

全長4923×全幅1895×全高1445mmで、ショルダーラインを低く設定したスタイリッシュなフォルム。

ルーフからトランクリッドへとつながるラインをなだらかにすることで、クーペルックのスタイルを実現。

CT5のホイールベースは2935mmで、これにより後席レッグスペースはEセグメントで最大サイズを誇る。

フロントマスクはグレードによって異なり、「スポーツ」はメッシュを採用したワイド&ローな印象。

キャデラックのデザイン的特徴となっている縦型のテールランプをCT5も採用している。
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CT5 校正2回目 スポーティな走りを実感!アメリカンラグジュアリーセダン キャデラック CT5
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