イタリア&フランスからは個性的なニューモデルが続々
ラテン系のメーカーも活発だ。マセラティは第2のSUVとなるグレカーレを日本に導入した。グレカーレは、ステランティスグループが開発したジョルジョプラットフォームを採用したラグジュアリーSUV。
搭載するパワートレーンは3種類のガソリンターボで、都会派とアウトドア派で性能を差別化した2L直4ターボのマイルドハイブリッド仕様が2機種と、スーパーカーMC20に搭載されるネットゥーノと呼ばれるマセラティ製3L V6ツインターボが1機種となる。
この2L直4ターボのマイルドハイブリッド仕様の高出力版は先に兄貴分のレヴァンテGTに搭載されているもので、330㎰/ 450Nmを発生する。
フランス勢は、さらに勢いがある。ルノーが投入したニューモデルのアルカナに搭載された独自のハイブリッドシステム「Eテック」が話題となっていたところ、矢継ぎ早に同システムが欧州ベストセラーのキャプチャーにも搭載された。さらに直近ではモノグレードだったアルカナにマイルドハイブリッド仕様が追加設定された。
シトロエンは、いずれも斬新で非常に個性的なデザインをまとう中堅のC4とフラッグシップのC5Xというクロスオーバーを相次いで投入した。ドライブフィールも往年の独特の味が戻ってきたとすでに評価は高い。
電動化を進める2ブランドもそれぞれの方法でアプローチ
2030年にBEV専門のメーカーになると表明しているボルボは近年、パワートレーンの電動化など短いスパンで目まぐるしく進化をしてきた。すでに純粋なICE車やディーゼルは設定されていない。22年7月には装備とグレード体系および呼称の変更があり、最上級の「アルティメット」と充実装備の「プラス」を基本とするラインナップに変更された。
また、21年秋にXC60より導入されていたグーグル搭載のインフォテイメントシステムが全車に標準装備となったことも大きいニュースだ。
XC40は、登場から5年目を迎え初のフェイスリフトを実施し、より個性を引き立てる新しい外板色が設定された。パワートレーンは48Vハイブリッドを採用したFFの「B3」と4WDの「B4」およびFWDとAWDのBEVとなった。
日本でも絶好調のジープはフラッグシップのグランドチェロキーLを2月にフルモデルチェンジし、その弟分であり、同じく3列シートを持つコマンダーが10月に復活。待望のジープの3列シート車が日本に上陸した。
なおこのコマンダー登場のタイミングでグランドチェロキーに2列シートの標準ボディも追加設定されている。こちらにはモデル初のプラグインハイブリッド4xeも用意されている。
また、本国のラインナップで唯一、日本に導入されていなかったピックアップトラック、グラディエーターが発売されるや、短期間でローンチ時の生産分400台が完売したことも話題となった。
時代はまさにSUV。まだまだこの活況は続きそうだ。(文:岡本幸一郎)