1970年代の後半に大ブームが起き、今もなお人々を魅了してやまないスーパーカーたち。そんな懐かしいモデルから現代のハイパースポーツまでを紹介していく、スーパーカークロニクル。今回は、マセラティ ボーラだ。

ランボルギーニ ミウラがターゲットだった

画像: 左が8000rpmスケールの回転計、右が300km/hスケールの速度計。その間に油圧計を配置している。

左が8000rpmスケールの回転計、右が300km/hスケールの速度計。その間に油圧計を配置している。

しかし、ボーラには余裕の気品のようなものも感じられ、大人のスーパーカーといえた。もちろんスーパーカーならではの、地を這うようなファストバックボディのシルエットをしっかり見せていたが、破綻のないバランスのとれたプロポーションも見どころだった。

仮想敵は、ランボルギーニ ミウラだった。車体はライバルよりやや大きく重く、ホイールベースも長めの2600mmだったが、そのぶん乗員スペースは余裕があり、フロントには大きめの荷室も確保された。さらにマセラティらしい落ち着いたハンドリングを実現していた。

ボーラはスーパーカーの公式に則り、モノコックシャシのリアミッドにV8 DOHCエンジンを縦置きに搭載した。エンジンは中速域のトルク特性を重視した設定のフレキシブルなギブリ用の4.7L V8を搭載。あえてピークパワーを狙わなかったのも、老舗マセラティらしい見識といえる。それでも総アルミ製のV8 DOHCはウエーバー製のツインチョークキャブレターを4基装着して最高出力は310psを発生。最高速は約260km/hを実測しており、スーパーカーの名に恥じない高性能ぶりを発揮した。

1973年にはアメリカの排出ガス規制に対応するため、北米仕様のエンジンを4.9Lに排気量アップしたが、最高出力は300psにダウンしている。そのため、1975年のマイナーチェンジでは、排気量はそのままに最高出力は320psにアップされた。ボーラは累計で530台が生産され、1978年に生産を終了した。まぎれもなく第1次スーパーカーブームの主役の1台として記憶されるべきモデルだ。

画像: ミッドシップだがリアとリアクオーターウインドーにはガラスが張られていた。

ミッドシップだがリアとリアクオーターウインドーにはガラスが張られていた。

マセラティ ボーラ 主要諸元

●全長×全幅×全高:4335×1768×1134mm
●ホイールベース:2600mm
●車両重量:1400kg
●エンジン種類:90度V8 DOHC
●総排気量:4719cc
●最高出力:310ps/6000rpm
●最大トルク:47.0kgm/4200rpm
●燃料・タンク容量:有鉛ハイオク・90L
●トランスミッション:5速MT
●駆動方式:縦置きミッドシップRWD
●タイヤサイズ:前205/70VR15、後215/70VR15

画像: amzn.to
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