1970年代の後半に大ブームが起き、今もなお人々を魅了してやまないスーパーカーたち。そんな懐かしいモデルから現代のハイパースポーツまでを紹介していく、スーパーカークロニクル。今回は、ランチア ストラトスだ。

ディーノ246GTのパワーユニットを移植

画像: メーターがズラリと並び、必要不可欠のものしかないレーシーなコクピット。ドアにはヘルメットが入る大きさのポケットがある。

メーターがズラリと並び、必要不可欠のものしかないレーシーなコクピット。ドアにはヘルメットが入る大きさのポケットがある。

キャビンがモノコックなのは、乗員スペースの安全を十分に確保し、騒音にも配慮したためといわれている。また、ヘルメットの置き場をドアポケットに設けるなど、疲労の激しいラリーでの乗員への配慮も各所に盛り込まれた。重量物を車体中央に集めたミッドシップである上、全幅が1750mmもありながらホイールベースはわずか2180mmと短いのは、まさに設計の狙いどおりだったのだが、アマチュアドライバーには手に余るほどクイックなハンドリングだった。

エンジンは当初ランチアの4気筒を積む予定だったが、途中でフィオリオの考えが変わり、ディーノ246GTの2418cc V6 DOHCエンジン(190ps/23.0kgm)をもらい受けることに成功した。ちなみにラリーバージョンのエンジンは、280ps/26.0kgmを発生した。しかし、その交渉が難航して市販モデルの生産が遅れてしまい、500台程度生産したものの販売は不振だった。

その反面、ラリーでは見事に世界タイトルを1974年から3年連続で獲得したことで、目的は達成したといって良いだろう。またスーパーカーとしても、日本では「サーキットの狼」で主人公の愛車の1台になったこともあり、カウンタックに並ぶほどのエキゾチックな存在として人気となった。

画像: WRC仕様車のリアには、高速安定性を高める大型リアスポイラーを装着し、280psを確実に路面に伝えた。

WRC仕様車のリアには、高速安定性を高める大型リアスポイラーを装着し、280psを確実に路面に伝えた。

ランチア ストラトス 主要諸元

●全長×全幅×全高:3710×1750×1110mm
●ホイールベース:2180mm
●車両重量:980kg
●エンジン種類:60度V6 DOHC
●総排気量:2418cc
●最高出力:190ps/7000rpm
●最大トルク:23.0kgm/4000rpm
●燃料:有鉛ハイオク
●トランスミッション:5速MT
●駆動方式:横置きミッドシップRWD
●タイヤサイズ:205/70VR14

画像: amzn.to
amzn.to

This article is a sponsored article by
''.